船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の一部を改正する省令案についての意見



2004年9月30日

船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の一部を改正する省令案についての意見

障害者欠格条項をなくす会

 「障害者欠格条項をなくす会」は、障害や立場の違いをこえて、体験をもつ当事者の声を集め、調査や情報提供、政策提言などの活動を行なっています。過去に、海技免許や身体検査・試験についても提言しています。

 2004(H16)年9月提案の、「船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の一部を改正する省令」の第4項「小型船舶操縦士身体検査基準の見直しについて」について、賛成いたします。

 昼間の灯標・浮標などの色においては赤と緑、黄と黒を見分けられ、夜間の灯光などの光においては赤と緑と白と黄が見分けられれば、操船の場面において殆ど問題がないはずだというのが、2001(H13)年改正時においても私たちが主張してきたことです。

 今回、現行の「日出から日没までの間」としていたものを夜間航行も含めて「現実に必要な動作基準に改める」としたことは前進であると評価いたします。

 なお、今回の改正には盛り込まれませんでしたが、このような「現実に必要な動作基準」は海技士身体検査基準(別表第三)の「弁色力」や「疾病及び身体機能の障害の有無」の項目においても導入されるべきです。

 船舶職員(海技士)の第一種、第二種と小型船舶操縦士によって、「現実に必要な動作基準」による身体検査基準で判断することによる評価の合理性に違いはないはずです。海技士身体検査基準(別表第三)においても、疾患名や障害名、「色盲」、「強度の色弱」といった名目にとらわれることなく、「現実に必要な動作」が何であるかが明らかにされ、能力による判定が行われるべきだと考えます。

 特に、色覚異常検査はすなわち遺伝情報の検査でもあり、改正案にもあるように「個人情報が検出されるおそれ」があります。これは小型船舶操縦士に限ったことではなく、当然に海技士にも当てはまります。今回、小型船舶操縦士身体検査基準(別表第九)に限ったのは、制度的な整合性を欠くものと言わなければなりません。海技士身体検査基準(別表第三)の「弁色力」の項目も改められるべきです。

 上記の意見内容は、長年のセーリング経験をもつ有資格者の体験と意見に基づいています。制度改定と運用に生かされることを強く望みます。

以上


戻る