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活動内容
障害者の権利条約の批准と完全実施に向けて
権利条約が国連総会において満場一致で採択され、活動の舞台はいよいよ国連から国内へと移ってきた。条約採択までの過程に世界の多くの障害者や関係者が参加し、障害者運動の成果が随所に盛り込まれている条約をどのように使うのか、私たちの力量が試される時がきたのである。
まず経過を見ると、2007年3月には署名が開放され、日本政府は9月28日に115番目の署名国となった。これによって条約の趣旨と内容を尊重する国際法上の義務が日本政府に生じた。条約の批准と完全実施に向けて、新たな段階に入ったのであり、署名自体はDPI日本会議としても歓迎する。また、批准国が20カ国を超えたことを受けて、2008年5月3日に条約が発効した。批准国は条約の実施を義務付けられることになり、権利条約の国際的な実施のための障害者権利委員会も設置される。世界の障害者を取り巻く状況はますます変わっていくと思われる。
権利条約は、国連で採択して国家が批准して終わり、というものではない。全ての権利を全ての障害者に保障するための国内法制度の整備を行うための道具なのである。子どもの権利条約の例にもあるとおり、政府主導の批准では国内法制度の整備が進まない可能性がある。DPI日本会議は今年度、障害当事者主導の批准と完全実施にむけて、以下の活動を展開する。
第一に、障害者を取り巻く個々の課題の解決にどの程度利用できるものなのか、権利条約の内容を障害当事者が身につけることが必要である。障害当事者の日常生活での経験を、条約という国際人権法の水準で理解するための学習会を全国各地で展開することと、そのための講師育成を本格的に始めることがあげられる。
第二に、こうした学習会を地域の差別禁止条例や差別禁止法制定の運動と連携させることである。JDF地域フォーラム開催の動きとも連携しながら取り組んでいく。権利条約は障害に基づく差別を禁止する法律の策定を要請しており、条約の履行という点で最大の課題の一つである。特に来年は障害者基本法の見直しの年であり、取り組み如何では、基本法の若干の改正で終わる可能性もあることを十分認識し、積極的に運動を行う。
第三に、地域生活やインクルーシブ教育など、個別の課題についての政策提言能力を向上させ、広範の勢力を結集する活動を行う。このために関係団体との意見交換や、一定水準の研究活動等を進めていく。
最後に、上記活動を効率的に推進するためにも、広く社会に働きかける活動を行う。権利条約の内容や課題について、マスコミや議会、他の市民団体など外部に向けて発信し、社会の理解と支持を得られる活動を行う。これらの取り組みを複合的に展開し、政府に強く働きかけていく。