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特定非営利活動法人(認定NPO法人)DPI(障害者インターナショナル)日本会議

Japan National Assembly of Disabled Peoples' International

A Voice Of Our Own(我ら自身の声)

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HOME>活動内容>2006年度活動報告>各事業に関する報告>政策提言活動

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活動内容

政策提言活動

障害者自立支援法に関する取り組み

当事者不在で拙速につくられた「自立支援法」が、2006年4月からいよいよ実施された。4月からは原則1割の利用料を求める応益負担が、10月からは障害程度区分・審査会による支給決定と、移動支援事業の地域生活支援事業化等が進められた。

同法の施行に伴い、制定段階から指摘してきた問題が予想以上の波紋を伴って広がった。家族による障害者殺しや心中事件が起きたり、通所施設での利用料不払い運動や滞納等がマスコミでも報じられるようになった。また、単価引き下げの影響で事業所運営も困難となってきている。

DPI日本会議は、全国の仲間の協力を得て、6月、10月と2回に渡って「自立支援法」の施行影響調査を行った。この調査を通じて、障害が重い程、費用負担が重くのしかかり生活費を削る、サービスが減らされトイレや入浴回数を減らす、等の深刻な影響が浮き彫りになった。また、1月には首都圏の自治体調査を行い、格差拡大となっている移動支援事業の実情を把握した。

「全国大行動実行委員会」では、同法成立後も「地域生活をあきらめない」との基本姿勢のもと、各自治体への取り組み等を行ってきた。そして、7月と2月の2回に渡って厚生労働省に対する交渉と行動を実施した。

さらに、「自立支援法」の成立1年となる2006年10月31日に「出直してよ!障害者自立支援法大フォーラム」を日本障害者協議会(JD)や全日本ろうあ連盟等と共催し、全国各地から1万5千人の障害当事者や関係者が集う歴史的な取り組みとなった。

この大フォーラムと相前後して与党での見直し作業が始まった。12月6日には衆議院の厚生労働委員会では「自立支援法」に関する参考人質疑が行われ、DPI日本会議からも意見陳述を行った。

その後、12月末に政府の見直し案がまとめられ、今年4月から実施されている。

このような全面施行からわずか2ヶ月での見直しは極めて異例であり、同法の施行による影響がいかに深刻であるかを物語っている。しかし、影響の深刻さ故の「緊急避難」とは言うものの、障害が重度である程重くなる負担構造や重度障害者の長時間介護、移動介護の地域生活支援事業化の問題等は依然として解決していない。

2007年3月には「障害者と人権弁護士ネットワーク」が主催する「障害者自立支援法110番」にスタッフとして協力するとともに、広報を行った。

これまでの国の精神障害者に対する隔離収容政策が、世界に類を見ない数の精神科病床と長期に及ぶ「社会的入院」を生み出してきたことから「障害福祉計画」では「施設や病院からの地域移行」を目標として掲げることになっている。権利条約等でも明らかなように「社会的入院」は人権侵害である。真に「社会的入院」を解消し、地域で当たり前に暮らせるために社会資源やサポート体制の整備こそが求められる。しかし、厚生労働省は「退院支援施設」構想を打ち出してきた。これは、精神科病床の「看板かけかえ」と見た目だけの「入院患者の減少」という「数字あわせ」を進めるだけのものであり、日本のノーマライゼーションのあり方を根本から歪めることにもなる。

「退院支援施設」の撤回とピアサポート等のまっとうな地域移行の仕組みを求めて、精神障害当事者を先頭に2006年8月から厚生労働省に対して、いくども深夜に渡る交渉・行動を展開した。「退院支援施設」については、日本障害フォーラム(JDF)等からも撤回を求める声が相次ぎ、2006年10月1日の実施は延期になった。しかし、厚生労働省はより深まる疑問に答えることなく2007年4月1日から強行実施した。今後、その実態化を許さない取り組みが必要である。

2006年春から「介護保険制度の被保険者・受給者範囲に関する有識者会議」が開催されてきているが、2007年2月に障害者8団体からのヒアリングが行われた。DPI日本会議からも、この間の政策研究プロジェクトでの検討に基づいて意見提起を行った。「自立支援法」の深刻な影響を背景に、他の団体からも「議論自体の凍結」を求める声が相次いだ。「自立支援法」に対する取り組みが一定影響したといえる。

以上のような活動をふまえ、「自立支援法」の問題について広報・世論喚起をしていくために、『問題てんこもり!障害者自立支援法-地域の暮らし、あきらめない』(解放出版社)を2007年6月に刊行した。

障害者の所得保障に関する取り組み

「自立支援法」の附則ならびに参議院での附帯決議にもられた「所得の確保に関する所要の措置を講じる…」という規定を受けた検討が、厚生労働省内部で始められた。しかしその検討課題は、主として就労支援のあり方や作業工賃の倍増に関するものであり、雇用・一般就労の困難な障害者の経済生活を確立するための所得保障は重要視されていない。こうした状況を覆し、雇用の対象にはなりにくく、一般就労が困難な障害者の所得保障のあり方を追求していくことが、より現実的な課題として浮上している。

2006年4月から開始された全国社会福祉協議会(全社協)関連の障害者団体による「障害者の所得保障に関する研究委員会」は2007年3月に障害者の所得保障のあり方に関して「障害基礎年金の給付水準の引き上げ」、「年金・手当の支給判定基準の見直し」、「あらたな社会手当(住宅手当)の創設」などを含んだ初年度としてのとりまとめを行った。DPI日本会議としてもこの委員会に積極的に関与してきており、今後はこのとりまとめ内容を、より現実的なものとし、具体的な政策課題としていくための取り組みを進めることが求められる。

2006年の「政策研」では生活保護制度のあり方に関する学習を行い、セーフティーネットとしての生活保護制度を崩壊させないための取り組みの一環として、ワーキングプアやホームレス等の貧困問題に取り組む人々と協同して開催した集会に参加し、障害者の立場からの意見提起を行った。

また、無年金障害者の問題については、「特定障害者に対する特別障害者給付金」による対策が講じられているが、在日外国人無年金障害者に関してはこの制度の対象から除外された状態が続いている。2006年10月には在日外国人障害者・高齢者の無年金問題の抜本解決を図るため、韓国DPIとの協力の下で、外交問題としての取り組みを求めて、韓国政府に対しての働きかけを行った。

障害者差別禁止法に関する取り組み

DPI日本会議は、「差別禁止法」の策定を運動の軸の一つとして活動してきている。特に2006年度は、12月に国連で権利条約が採択されたことで、差別禁止法をふくむ国内法制検討の機運が盛り上がった年となった。

DPI日本会議が呼びかけ団体となっている政策研作業チームは、差別禁止法要綱案の作成後、さまざまな活動を継続的に展開している。また、新たな動きとして「市民がつくる政策調査会」(以下、市民政調)が、前衆議院議員の石毛えい子氏を座長として、2006年8月から障害者差別禁止法検討プロジェクト・チームをたちあげ、6回にわたってヒアリング等を行った。当プロジェクトにはDPI日本会議の複数のメンバーが中心的に関与しており、政策研作業チームとの連携のもとで、早期の立法化に向けて活動を継続している。

関連するその他の動きとして、2007年3月、韓国で「障害者の差別禁止及び権利救済に関する法律」が制定された。この件に関しては、DPI日本会議では、韓国DPIの仲間が運動において中心的な役割を果たしてきたことから、以前より韓国の動きに注目してきており、さまざまな機会を通じてこの動きを伝えてきた。社会構造や法体系等が日本と類似している国での法制定は、内容のみならずその過程についても、私たちの今後の活動に示唆するものが大きいだろう。

原則統合・インクルーシブ教育の実現に向けた取り組み

DPI日本会議では、これまでも障害児教育への取り組みを重要課題として位置づけてきた。特に、2006年度の取り組みとしては、特別支援教育関連法の国会審議において衆議院文教委員会にDPI日本会議からも参考人として出席した。その場においては、原則統合を前提としたインクルーシブ教育への体制変更を求める意見陳述を行い、他団体と共同した法案に対する要望書の提出、パブリックコメントへの意見提出と加盟団体への提出呼びかけを積極的に行ってきた。

また、DPI日本会議としての障害児教育に対する認識の共有化と取り組みの強化に向け、常任委員会において学習会を持った。インクルーシブ教育の実現は、障害者の地域社会での自立生活とあらゆる分野への社会参加、すべての障害者の人権確立とそのための社会づくりにとって必要不可欠な課題であることを確認した。今後は、地域における当事者団体の活動をより広げていく取り組みを進めていくことが必要である。

交通アクセスに関する取り組み

交通バリアフリー法は、5年間の実施をふまえて、2006年に見直され、建築物に関するハートビル法と一体化となり、バリアフリー新法となった。

バリアフリー新法の参考人質疑では、DPI日本会議関係から複数のメンバーが出席し、乗車・利用拒否事例やホームからの転落事故等の当事者の実体験に基づく報告を行った上で、移動権の確立やホームドア・ホーム柵等の安全確保の必要性を提起した。提起した内容は衆参両議院での附帯決議として反映され、その後の基本方針や政省令の議論に影響を与えることができた。

法律成立後、基本方針、各種基準(公共交通、建築物、道路、公園)に関する委員会が設置され、DPI日本会議からもそれぞれの委員会に参画した。その後のパブリックコメントに対しても、DPI日本会議として意見をまとめるとともに、広く意見提起を呼びかけた。

今後は、新しく盛り込まれた住民提案制度や基本構想策定時の協議会制度を活用し当事者参画を推進していくとともに、ホームドア・ホーム柵の着実な整備、当事者参画のもとでの職員研修等の取り組みを進めていくことが必要である。

また、DPI日本会議のよびかけにより、交通アクセス行動を毎年取り組んできているが、2006年10月の東京行動では再びJR東海によるハンドル式電動車いすへの理不尽な乗車拒否が起きた。その直後に実施した国土交通省交渉では乗車拒否の実態をもとに問題提起を行い「ハンドル式電動車いす等の利用に関する検討会」を立ち上げさせ、その中に障害当事者が参画することを確認した。

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