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■6月16日
議題:条約の類型、性質と選択肢
ヨーロッパ・ディスアビリティ・フォーラム(EDF)、障害者インターナショナル(DPI)、世界ろう連盟(WDF)、SHIA、世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワーク(WNUSP)、パレスチナ盲人国内議会、ならびに香港、インド、イタリアおよびウガンダの草の根活動家によりなされ、多くのものが、ホリスティックと非差別との対立(※注1)、および、本条約と既存文書との関係に注目した。
EDFは、強力な法的(執行可能な/強制可能な)非差別規定を望むとしながらも、それが障害者の人権の平等かつ効果的な享有にとって十分なものとなるか疑問を呈した。
WNUSPは、障害者の治療と生活場所の選択に関する諸権利(これらの権利は国際法の下で現在保障されていないものである)を認めるホリスティック・アプローチを支持した。
また、ホリスティック・アプローチはパレスチナ盲人国内議会により支持された。
(※注1)NGOの発言に前に、子どもの権利条約の専門家であるブルガリアのヴェリナ・トドロバは、条約の性質およびモニタリング・メカニズム(監視の仕組み)について発言し、以下の3つの条約モデル、すなわち、(1)
ホリスティック(既存の全体的な人権文書との関係重視)、(2) 非差別、(3)
ハイブリッド(社会開発と人権の要素の結合)について述べたが、どのモデルであれ、既存の規定を強化する機会があるが、異なるニーズのために、「特別の人権」というよりも、むしろ「他の人間と対立する形の特別な権利」を促進する潜在的な危険があることを強調するとともに子どもの権利条約が開いた新生面は、子どもの「参加権」であると述べた。
■6月17日
議題:障害の観点から見た非差別・平等原則、特別措置と障害に関する重要問題
世界心理社会リハビリテーション協会は、この条約が、ジェンダー、人種、障害、カースト、低い社会経済的地位および精神病に関する問題に焦点を当てているか疑問視した。
ヨーロッパ・ディスアビリティ・フォーラムは、あらゆる国が広範な差別禁止法を策定し、一般的な説明責任(アカウンタビリティ)を促進し、かつ、必要な場合には個々に合理的配慮を定めることが必要であることを示唆した。
ヒューマニタリアン・オーガナイゼーションは、この条約が地方自治体レベルにおける計画の実施を要請することにより、このレベルの特性を組み込むことの可能性について述べて、国内計画が各地方に分散して障害者の真のニーズがえ考慮され得るようなローカル・レベルの活動を可能にさせることが必要である、と強く主張した。
■6月18日
議題:条約に関する提案への貢献について
(参考)15カ国の国内人権機関を代表して、シャーロット・マクレインは、NGOが将来の特別委員会に出席するための資金を要請し、条約作成過程に関する新たな提案を行なった。提案に含まれるのは、基本的な価値、アクセシビリティ、障害、多様性を反映した人権原則に、個別の必要に応じ、詳細に説明され、全体的な焦点を当てること、また、すでに各国代表によって署名されたウイーン宣言の確認である。公的および私的領域における、直接的、間接的、体系的な、隠された、二重の、複合的差別を含む、強力な平等・非差別条項が必要である。
国際障害コーカスは、障害者のニーズを全体として満たしながら、策定過程を速く、効果的に進める将来の方法の決定を支持した。具体的には、どのような起草委員会であれ、国際障害コーカスから指名された委員によって、障害種別が多様であり、地理的にも多様であることが提案された。また、次回の特別委員会前に利害関係者全員がリアクションペーパーを準備できるよう、2004年3月1日までに草案が準備されるために必要な財政的・人的資源が十分に提供されるよう要請された。
135カ国の障害者の人権を促進する国内組織から構成されている障害者イン
ターナショナル(DPI)は障害者の視点を盛り込むことは、起草過程の核心部分であるしてこれを支持した。世界ろう連盟(WFD)、国際障害同盟(IDA)は、EUの視点とは異なるメキシコのプロセスの詳細な説明を支持したが、メキシコのプロセスは、法的強制力のある文書とするためには不十分であるとの感想を述べた。IDAは、検討されるべき第2次草案を国連加盟国がまだ手にしていないので、その草案を支持することができないと述べた。世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワーク(WNUSP)は、精神保健サービスを利用する障害者もいれば、精神医療による拘禁から生還した障害者もいるし、精神障害者もいる実態を指摘し、障害者の人権を主張した。
■6月19日
議題:条約に関する提案への貢献について
(参考)ニュージーランド人権委員会は、「私たちのことは、私たち抜きで決めてはならない」(Nothing about us without
us)との言を基礎にして、あらゆる主体とのインクルーシブな検討を行うことを支持した。同人権委員会は、次を強調した前文が必要であると主張した。すなわち、(1)
条約の必要性。(2) 既存人権文書の適用を承認すること。(3) 先住民、ジェンダーその他の障害者問題を認めること。(4)
その性質としてあらゆる範囲の権利をもった包括性。(5) 一部の権利は漸進的に実現されること。(6) 差別の禁止。(7)
「合理的配慮が提供されないことは差別となる」との声明。(8)
同様に、「国内的行動を支援するための国際的協力を促進すること」。神経的、感覚的および精神的な機能障害(インペアメント)を含むあらゆる機能障害を含めること。また、機能障害には恒常的、断続的または一時的なものが含まれることが望まれる。同人権委員会は、締約国の義務は条約の目的を実現するための立法的行動をとることにあると理解しており、これをアジェンダに置く際にメキシコが果たした指導的役割を認めることを望んでいる。同人権委員会は、そのステートメントの拡大文字版をこの会期で利用可能なものとした。
ヨーロッパ・ディスアビリティ・フォーラム(EDF)は、あらゆる国連加盟国の立場がこの条約について肯定的であることを確実にすることを望んだ。EDFは、この条約が障害者のための新しい権利を確立することについてではなく、2003年の欧州障害者年と一致する法的その他の仕組みを確立することによって、そうした権利を調整するものである、と述べた。EDFは、「この段階では言葉から行動へ移ることが必要である」と強調している。EDFは、あらゆる主体は迅速で質の高い条約検討過程の成果から利益を得るであろうと思っている。
「オーストラリア障害者」とコミュニティ・リーガル・センター協会は、オーストラリア代表の立場に賛成して、その記録を賞賛した。一方で、とりわけ移民、難民法、先住民の社会事業といった分野について、「オーストラリアにおいて障害者の福利を促す機会の多くが実現されておらず、その責任の多くも果たされていないままである」と述べた。かかる観点から、オーストラリアが条約に対して明瞭に支持していないのは遺憾とし、この点についてオーストラリア政府と協力することを期待しているとした。「多くが与えられた人々に、多くのことが期待されている」ので、これらのNGOは、あらゆる国家に参加するように要求した。
国連地雷サービスは、市民や子どもの障害の主たる原因として、地雷の存在を証明した。治療とリハビリテーション・サービスにおけるジェンダーの不均衡、それがスティグマという結果をもたらし、雇用の機会を減らすことを伴うことが強調された。そのポジションペーパーと文書のコピーは、国連地雷アクション・サービスで入手可能である。また、それは障害者の地雷サバイバーの福利の向上に取り組み続けており、特別委員会の努力を全面的に支援していると述べた。
議題:条約の性質と構造について
障害コーカスは、この条約は「何よりも」人権条約であることが必要である、と指摘した。障害者のための新しい権利を作り出しはしないが、6つの中核的人権条約および世界人権宣言が保障している権利が、障害の文脈で理解され、適用される人権条約である。国家が行動を起こさないこと自体が差別の形態であるので、国家は障壁を除去し、アクセシビリティを保障するために積極的な措置を講ずる必要があるため、非差別条項あるいは一般原則の簡潔な声明では十分でない。障害コーカスは基準規則と世界行動計画を条約モデルに合わせることも、既存の条約の選択議定書、付属文書を作り出す選択肢も支持しないと語った。この可能性は昨年既に放棄されている。障害コーカスは、条約には平等、開発、自律、参加、尊厳という包括的な原則が含まれる必要があること、また、「私たちのことは、私たち抜きで決めてはならない」という観点から、障害者が過半数を占める監視機関が設置されるべきである、と強く主張した。
国際障害同盟(IDA)は、この条約が、既存の人権規範および原則(例えば、尊厳、自己決定、平等、社会正義など)に基づいて、社会福祉そして医学的問題としての障害から、人権問題としての障害に転換することを反映すべきであると信じていると述べた。この条約は「強力な監視」のための仕組みを具えるべきであるとした。障害者がその侵害に直面している市民的・政治的権利とは、生命、拷問からの自由、尊厳、自由、平等、結社、家族/プライバシー、表現の自由、投票、市民権(シティズンシップ)についての権利である。そして、マイノリティ・グループとして障害者を認めることが強調された。また同じく、教育、労働、健康、アクセス、生活水準、文化についての経済的・社会的・文化的権利の侵害にも障害者は直面しているとされた。IDAは、いわゆる第3世代の人権、すなわち発展の権利を含めることをも歓迎していた。
アラブNGO同盟は、既存の国連条約は「基線」として役立つと述べた。また、この条約は、たとえば、サービスへの障壁を除去する「国内的計画」に焦点をあて、独立したモニタリング・メカニズムを設けて、そして障害者が参加する委員会を設置するべきであると述べた。
■6月20日
議題:検討すべき要素
国際障害コーカスは、国際法の下で保障されている市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利を含む包括的な条約への支持を再確認した。条約の中心的な柱は、「上記の分野すべてに渡る直接的および間接的な差別の分野において無条件で作用する強力な非差別規定」とすべきである。アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)の原則も含めるべきである。これは、障害の文脈では、「実効的な平等を達成するために、障害者の社会的地位を平等にすることを目指した一揃いの措置」を意味する。「・・・国の憲法、法律、規制の体系を見直して、未だに存在する形式的な法的差別の事例を明らかにし是正することも必要である。例えば、選挙権や陪審員になる権利から排除されていることや、パターナリスティックな後見法、病院や施設での拘束について定めた法律などである」。
ヨーロッパ・ディスアビリティ・フォーラムの代表は、政府その他の利害関係主体の緊密な協力の下で2002年3月に採択されたマドリード宣言に言及した。同宣言は「非差別+ポジティブ・アクション=ソーシャル・インクルージョン」と呼ばれ、今年の欧州障害者年の準備のために作成された。条約では、障害者に対するあらゆる形態の差別を非難し、差別を撤廃する措置を確保しなければならない。ポジティブ・アクション(積極的差別是正措置)は、障害者の機会均等化を確保し、その完全参加を増すために必要である。同代表は「私たちのことは、私たち抜きで決めてはならない」と言明して、この条約の規定を実施するための国家の義務と、条約起草過程への障害者の効果的参加を強調した。
地雷生存者プレメンコ・プリガニカは、ランドマイン・サバイバーズ・ネットワーク(LSN)を代表して発言した。LSNのボスニア局長である同氏は、対人地雷禁止条約(オタワ条約)のプロセスの成功と、とりわけ監視の実施に関して、政府と市民社会と被害地域の「パートナーシップ」の重要性とに言及した(ここでは「地雷モニター」が例に挙げられた。これは、地雷に限定した国家報告をまとめた詳細な報告書であり、広範なNGOのネットワークが作成したものである)。障害者団体には「明確な役割」が与えられるべきである。
国際障害コーカスの代表、ビーナス・イラガンが発言し、この条約は現在行われている最善の例にならった監視機関を持たなければならず、当該機関は多数の障害者から構成されなければならないと繰り返した。個人およびNGOが苦情申立てを行う権限も含めるべきである。イラガンは、構築された環境の利用可能性に関する指針、紛争後の社会におけるアクセス、人道援助に関する指針について取り組む技術諮問機関を設置することを求めた。実施の大部分は、国内的制度の強さに常に左右される」。イラガンは、障害者の「不可欠な役割」がこの条約の「指導原理」になるべきであると主張した。 |