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第6回DPI世界会議札幌大会報告集 世界の障害者―われら自身の声

Q&A 

障害者の機会均等化に関する基準規則ってなんだろう?(7)

(「われら自身の声」記事より)瀬山紀子(お茶の水女子大学 大学院)


連載も最終回を迎えたところで、DPIの世界大会も迫ってきました。今回の世界大会のテーマは、「すべての障壁を取り除き違いと権利を祝おう!」。これまで、この連載でもふれてきたように、基準規則は、障壁を取り除き、それぞれの人が違いを尊重され、その上で、機会均等化をすすめていくための国際的な指針です。しかし、この国連の規則は、強い拘束力を持ったものではなく、あくまで国連が示す基準であるため、より実行力を持って権利を保障していくために、現在、国連で障害をもつ人々の権利条約を策定するための準備が進められる段階に入っています。札幌での世界大会でも、一日目に「権利条約への道」と題されたシンポジウムが予定されています。基準規則を土台に、次なるステップをどのように歩み出せるか。それを考える上で、今回は、基準規則の大きな特徴である「監視(モニタリング)機構」にふれていきます。

Q.モニタリングってどんなことですか?
Aモニタリングとは、監視すること、チェックすることを意味します。つまり、基準規則に書かれている指針が、国内で達成されているかどうかをチェックし、達成されていないとしたら、基準を達成するように働きかけるためのチェック機能が規則のなかに示されているのです。これまでも繰り返し書いてきたように、基準規則は国連が定めた基準です。その基準が日々の生活の実情と照らし合わせて考えたときにあまりにもかけ離れているということもあるでしょう。でも、そんなときに、基準規則という一つの世界的な目標をもって、その自分の置かれている状況の不当性を訴えていくことができるのです。

Q.日本国内で、基準規則に関するモニタリングは行われていますか?
A国連は、基準規則モニタリングのための特別報告者を任命しています。そして、その特別報告者は、障害者組織の代表や、WHO(世界保健機構)、ILO(国際労働機関)といった国連の専門機関と連携しながら、基準規則に関する各国の国内政策に関する取り組みをより促進させ、時にはそのための情報提供や支援をしながら、取り組み状況を分析、評価する役割を担っています。すでに、基準規則に関する国際的なモニタリングは、第三次調査を終えています。日本政府も、もちろんその対象になっています。しかし、政府レベルでの回答は、必ずしも、障害をもつ一人一人の実情を照らし出すものとはいえず、「概ね、基準規則を達成している」という回答に終始してしまうこともあります。ただし、モニタリングは、各国政府に自己点検を求めるものだけではなく、各国の障害者団体に、政府の取り組みをチェックしてもらうという方法でも行われました。障害をもつ人自身が、この基準規則の監視活動に、障害をもつ専門家の一人として参加していくことこそが重要なことなのです。

 先に書いたように、現在、基準規則からさらに一歩進んだ障害をもつ人々の権利条約を策定するための準備作業が国連ではじまりました。条約策定のための作業は、そのプロセスにおいても、障害をもつ当事者の平等な参加が保障されなければなりません。障害をもつ人々の参加と人権が保障される新たな条約策定の作業は、今ようやく具体的なものとして国連のなかで始動しはじめたのです。それが、基準規則とどのように関連しているのか。それは、まさに議論の途上にあります。その議論に、多くの人が参加していくことによって、「違いと権利」を祝うためのあたらしい条約ができていくのです。

 さぁ、世界会議でたくさんの人に出会い、たくさんの熱い思いを交わし合いましょう!

 

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