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第6回DPI世界会議札幌大会報告集 世界の障害者―われら自身の声

Q&A 

障害者の機会均等化に関する基準規則ってなんだろう?(5)

(「われら自身の声」記事より)瀬山紀子(お茶の水女子大学 大学院)


 この連載で取り上げてきた「障害者の機会均等化に関する基準規則」に関連して、大きなニュースがあります。この間、国連の社会開発委員会で、基準規則に関するモニター活動の主導的役割を担ってきた特別報告官、ベンクト・リンクビスト氏が、基準規則のモニタリングに関する第三期(2000−2002)最終報告と規則をより充実させていくための補足文を発表しました。この最終報告、補足文案の日本語訳は、全日本ろうあ連盟のHPで、仮訳が提供されています。
 特に、「もっとも弱い立場の人々を含めるために」と題された補足文案は、これまで基準規則のなかでは十分に触れられてこなかった障害を持つ子どもの権利や、加齢による障害の問題、また、障害を持つ女性に対する差別の問題などに積極的にふれ、具体的な提案をしているという意味で大変力づけられるものとなっています。
リンクビスト氏の最終報告のなかには、今後の方向として、法的な拘束力をもつ障害者の権利に関する国際条約をつくるという課題と、同時に既に存在する国連の人権に関する取り組み(モニター機構)のなかに障害を持つ人の権利や問題を反映させていくという課題の並行した取り組みの必要性が示されています。こうした国際的な動きにちからをもらいつつ、身近な地域のなかで基準規則を活用した取り組みを進めていきましょう。

Q.基準規則では、家族関係について、どのような規則がありますか?
A.規則9に、家庭生活と人間としての尊厳についての記述があります。規則では、「政府は、障害を持つ人の家庭生活への完全参加を推進すべきである。政府は、障害を持つ人の人間としての尊厳への権利を推進し、性的関係、結婚、親となることに関して、障害を持つ人を法律が差別しないよう保障すべきである」と書かれています。障害を持つ人と家族についての規則には、大きく、「障害を持つ人が産まれ育つ家族」と、「成人した障害を持つ人自身が築こうとする家族」の二つについてのものがあります。
障害を持つ人自身が築こうとする家族についての規則の中には、「特に、障害を持つ女性」に対する偏見や差別を取り除いていく取り組みが必要であるということが書かれています。障害を持つ女性は、結婚をしたり、子どもを産み・育てたりすることから遠ざけられてきました。基準規則のなかでは、そうした否定的態度を変えるための方策として、メディアなどの方策に期待が寄せられています。
 また、基準規則の中には、家族(または、生活施設など)の中でおきる虐待や性的暴力に対しても注意が示されています。家族(または、生活施設など)の中でおきる虐待や暴力は、外から見えにくく、暴力を受けた人が、被害を訴えにくい状況がこれまでも存在してきました。規則の中には、障害を持つ人自身が暴力被害を訴えていくためのトレーニングを受ける必要がある、と書かれています。この暴力の問題は、障害を持つ人が産まれ育つ家族のなかでの問題(例えば、親から障害を持つ子どもに対する暴力の問題)でもあり、障害を持つ人自身が築いた家族のなかでの問題(例えば、夫から障害を持つ女性に対する暴力の問題)でもあります。

Q.基準規則のなかでは、文化全般について、どのような規則を設けていますか?
A規則10に、文化に関する項目があります。規則では、「政府は、障害を持つ人が、平等な立場で、文化活動に統合され、参加できることを保障すべきである」と書かれています。文化活動への参加とは、具体的には、活動の機会を得るための情報へのアクセス、また、実際に劇場や映画館、図書館や美術館といった施設が障害を持つ人にとっても利用しやすいものになっているか、さらに、サービスや資料はさまざまな障害を持つ人にとって利用できるものが用意されているか、といったことを指しています。さまざまな文化活動の情報へのアクセスという点から考えると、インターネットなどの情報通信技術をより利用しやすくすることも一つの方策だと考えられます。


 

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