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障害者の機会均等化に関する基準規則ってなんだろう(2)
(「われら自身の声」記事より)瀬山紀子(お茶の水女子大学 大学院)
連載の二回目となりました。前回は、「障害者の機会均等化に関する基準規則(以下、基準規則)」ができるまでの過程や背景、また、活用方法について大きな枠で考えてみました。今回は、基準規則にどのようなことが書かれているのか、その具体的な内容を、現在の日本の現状を踏まえながら読んでいきましょう。
まず、基本的な用語法を踏まえて、中身に入りましょう。基準規則序文からスタートです。
Q 基準規則では、「障害」という用語を、どのような意味で使っているのですか?
A 基準規則の中では、「障害(disability)」は、「世界の全ての国の全ての人口で起きている数多くの異なる機能的制約を要約した言葉」と定義され、「ハンディキャップ」は、「障害」とははっきりと区別されて、「他のメンバーと平等なレベルで地域社会の生活に参加する機会が欠如もしくは制約されていること」と定義されています。これは、現在改定作業が続いているICIDH(国際障害分類。世界保健機構=WHOが1980年にはじめに作った国際的な障害の分類基準を示すもの)の障害定義とも重なりますが、基準規則ではより積極的に、「個人のニーズ(リハビリテーションや補助具等)と社会の欠点(参加への種々の障壁)両方に取り組む必要性」を強調している点を押さえておきましょう。
Q 「機会均等化」という言葉は、どのような範囲で使われているのですか?
A 基準規則のキーワードの一つである「機会均等化」ですが、この言葉は、「社会の仕組みと、サービスや活動、情報、文章といった環境を、全員に、特に障害を持つ人に利用できるようにする過程」を指すとされています。最近では、インターネットをはじめとして今年の流行語大賞にもなったIT(=情報技術)が生活のさまざまな場面で利用されるようになってきています。一方で、情報技術の利用をめぐる人々の間の格差が、人々の社会的・経済的な格差につながることも指摘されてきています(デジタル・ディバイト問題)。最近では、「情報のバリアフリー」という言葉もつかわれ、日本でも郵政省、厚生省が「情報バリアフリー環境の整備のあり方に関する研究会」を立ち上げ、国レベルでの利用者支援技術の整備の必要性や、誰もが利用可能な機能を持つ情報通信システムの実現が今後の課題として示されています。情報技術に関する今後の国レベルでの動向を、この機会均等化の側面から監視していくことが重要でしょう。
もちろん、情報のバリアフリー化の問題だけが重要なのではありません。これまでも、さまざまな場面で言われてきたとおり、障害を持つ人たちが、そのことを理由にして社会から排除されることは、機会均等化とは逆行する方向です。そのようなことをなくしていこうとする方向が、基準規則全体を通して主張されていることなのです。
☆★次回は、さらに基準規則の奥へ分け入って行きましょう・・・
○前回記事の訂正(前回記事の中に訂正する個所がありました。国連国際障害者の十年のはじまりを1982年としてしまいましたが、正しくは1983-1992年までです。お詫びして訂正します。)
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