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2004年11月
■■
 八幡宿駅橋上自由通路での「車いす対応エスカレーター」による
電動車いす使用障害者の転落事故 について 
■■


 

交通問題担当 常任委員 
今福義明(いまふくよしあき)

 

 電動車いす使用障害者の車いす対応エスカレーター転落事故は、2004年11月13日(土)午後二時半ごろJR東日本内房線八幡宿駅の橋上東西自由通路にて千葉県市原市設置管理の車いす対応エスカレーター(日立製)で起きた。

 DPI日本会議交通問題担当として、今福が、「JR新宿駅の安全とバリアフリーを考える会」および「バスから地域交通を考える会」の担当者と2004年12月15日(水)、被害者宅を見舞い兼ねて訪問し、事故状況の聞き取りをした。

被害者の話から
 市原市在住の電動車いすを使用する障害者の男性(51)が駅員の介助を受けて同駅東口の車いす対応エスカレーターを降りる際、通常の車いす対応モードが作動している状態(駅員のスイッチ操作で三段分のステップが水平になり、車いすを乗せる仕組み)で、転落事故にあった。当該障害当事者の証言によれば、「ストッパーが出てきて、電動車いすが誤作動  しないように、手元のコントロール・ボックスのスイッチを切って、駅員がスタートボタンを押すのを待っていたら、突然、階段状になった・・・電動車いすは、頭上を越えて、    パウンドして落ちて全壊した・・・私は、もともとの障害で膝下切断だから、膝が折れる様なことはなかったが・・・膝下切断部と肋骨にひび、全身打撲、鞭打ち・・・ながらも一命は取り留めた・・・」という。
 また、同氏は、「救急車が来て運ばれたが、駅員等の付き添いもなく、医者にどうして一人なのか?と聞かれた。駅員は、全壊した電動車いすを倉庫に人目に付かないように隠した。」
 同氏は、同駅東口在住の住民で、東口から西口へ渡るのに、遠回りで危険な踏み切りを 避けて、東西橋上通路を車いす対応エスカレーターで利用していた。


新聞記事より

 事故が起こった箇所の車いす対応エスカレーターは、日立製。『メンテナンス会社の日立ビルシステムは機械的な欠陥はないと同市に報告。JR側は操作ミスはなかったとし、誤作動の可能性を主張して、両者の言い分は真っ向から食い違っている。事故から一カ月近く経った現在も、同駅の車いす対応エスカレーター・モード利用は休止されたままだ。』(東京新聞)
通常のエスカレーター運転は行われている。車いす使用者の利用は、事前連絡により、市役所から職員が駆け付け、担ぎ上げ下ろしをしているという。

『市原署は業務上過失致傷事件の可能性もあるとして調べているが、八幡宿駅は原因が分かるまで、四基あるエスカレーターの車いすでの利用を休止し、数人で持ち上げて階段で運ぶことにしているという。同市道路維持課は「駅から連絡をもらえれば市職員が手伝いに行く」としている。」』(東京新聞)

『昨年11月26日未明には同市とJR、日立ビルが駅員らの説明をもとに現場で再現実験を実施。さまざまな条件を設定したが不具合は生じず、「異常なし」とする調査結果を12月1日、同市に提出した。一方、駅員や男性は、操作ミスはなく乗り方にも問題はなかったと言う。同市の担当者は「駅員と男性の話は一致しており、その通りなのだろう」と困惑を深めるばかりだ。事故の場合の補償方法などについてJRとの間に取り決めはないといい「市の責任が問われることもあるかもしれない」などとしている。』(東京新聞)

市原市の会見
 さらに、2004年12月27日(月)午前に、日立ビルシステムが事故検証の機器の中間報告を市原市に提出するという情報を得て、午後、市原市道路維持課を訪れた。要点は下記の通り。
@ 八項目の機器の検証を行ったが原因が特定できず、車いす対応機器を工場に持ち 帰り再検証を行う予定。
A 市原市は、問題の車いす対応エスカレーターの車いす対応操作介助については、JR東日本と契約をしていなかった。同機器の操作介助について、市原市とJR東日本とで話し合いを始めている。

 2月現在の状況としては、2月中に、警察の調べで、警察・市原市・JR東日本・メーカー・メンテナンス会社とで、現場検証を行うという。現在の段階では、事故の原因究明については、警察による事故調査についての解明を待つしかないようだ。

 

この事故における最も重要な問題点は、国内の多くの鉄道駅構内や駅を跨いだ橋上自由通路に、鉄道事業者や沿線自治体が、「車いす対応エスカレーター」を設置・運用していることであり、車いす使用障害者や高齢者は、それらを利用せざるを得ない状況にいることにある。
 さらに、その車いす対応モード機能が突然階段になるということは、車いす使用障害当事者は、もちろんのこと、駅務員等も転落を防ぎ様のない状況になる。
 このことは、車いす使用者の「車いす対応エスカレーター」を利用してきた利用実感の降車時の恐怖を増幅させ、車いす使用者の中には、「車いす対応エスカレーター」をこれからは二度と利用したくないという声が相次いで寄せられている。
 私たちはDPI日本会議の発足当初から、階段のある駅には、橋上・地下通路には、誰もが安全に自由に使える「エレベーター」を設置してほしいと強く求めてきた。「エレベーター」でない昇降機は、ことごとく、私たちに事故との背中合わせの昇降移動を余儀なくさせている
 今回のことで、さらに恐怖を怒りを禁じえない中で、事故の原因究明と安全な公共交通機関のあり方について強く求めていくつもりである。

 DPI日本会議としての見解と要望

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最終更新日2005.3.2