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■ 障害者基本法の限界
日本においてこの十年間、心身障害者対策基本法が障害者基本法(1993年)に改められ、ハートビル法や交通バリアフリー法、または支援費制度等について定めた社会福祉法などのいくつかの法律ができました。いずれも権利の明記と差別を違法とする禁止規定がなく、努力義務を課す規定にとどまっています。
ですが、私たちは基本法を改正し、権利性や差別禁止規定を盛り込むだけで済む問題とは思っていません。なぜなら、基本法は、国及び地方公共団体を対象にした規定であり、この法律に差別禁止規定を入れたとしても、根強くある、社会での障害者差別を無くすことにはつながりにくい、と考えるからです。
基本法を1つ1つ読んでいくと、
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全体的に「参加する機会」が恩恵的に「与えられる」対象とみなされ、「障害者の社会参加を権利として保障する」とはなっていないこと。
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「更生」と「保護」に基づく旧来からの障害者施策の枠にとどまり、当事者に対して障害の軽減と克服への努力をおしつけ、重度の障害者に対しては隔離・収容型の施設入所を引き続き推進するとされていること。
といった、ことが、法律全体から感じ取れる条文ばかりです。
こうした法律の下に、策定された、「身体障害者福祉法」「知的障害者福祉法」「精神保健福祉法」も、権利性に基づいてのサービス提供であるはずがありません。
■ 障害者差別禁止法 と サービス法
では、どのようなものがよいのか。
障害者基本法は、国及び各地方自治体レベルでそれぞれの基本計画を立てることを、義務もしくは義務努力化してあるところには、意義があったと思われます。その策定状況は地域格差が大きく、今後の課題でもありますが。
つまり、障害者基本法は、行政サービスを規定する上では、有効なものであるといえます。ですが、障害を持つ人たちが、地域で生きていくなかでは、行政がいくらサービスを整備しても、改善しきれないことは多くあります。それが、人々の意識や民間・社会一般の対応です。
民間施設、民間企業、個々人同士の間で、様々な差別を経験し、悔しい思いをしてきた障害を持つ人がたくさんいます。また、目に見えるサービス提供を受ける必要のない障害をもつ人々、サービスを受けることが認められていないために、障害を持つ人と認定されない人も、何らかの社会的差別を経験しています。
こうした状況が本当に平等な社会とはいえません。ですが、その是正まで行政が行うには限界があり、また、社会での差別や障害者の権利を障害者基本法で補えるものではありません。基本法が定めるものは、行政サービスであり、あくまでも障害者の社会参加を支える一手段です。 そして、いくら探しても、こうした社会的差別を止めてくれるような法律は日本に存在しません。
ですから、私たちは
■ 障害者差別禁止法 − 対象:障害を持つ人
■ (社会)サービス(計画)法 − 対象:支援が必要な障害を持つ人
という2つの法律が必要なのではないか、と考えています。
こういうことを、障害者基本法へ「権利規定」を盛り込むことのきなかった1993年改正の頃より、障害者政策研究全国集会の中で議論を進めています。
障害者差別禁止法制定作業チームの活動はこちらから
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