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■■障害者8団体と厚労省障害保健福祉部との話し合いの報告■■
■2004年2月5日
先週に引き続き、障害者8団体の話し合いを2月5日の午後3時より開催した。
前回に厚労省と行った「これからの障害者福祉の基本的な方向性」についての議論を踏まえて、今回の厚労省との話し合いは「介護保険の現状と今後の方向性」について、高橋紘士氏(立教大学教授)より話を伺い、質疑を行うことで進めていくことを確認した。
各団体の中で介護保険と障害者サービスについての検討がなされており、その中の論点として、介護保険と支援費制度のアセスメントの違い、給付の上限と上乗せ・横出しサービスの問題等の課題があがったことの報告がなされた。精神障害の立場からも、介護保険の”自立”の概念を障害者に適用することの問題点も提起された。それらを受けて、次回については、厚労省側から引き続き介護保険について学者から話を聞く場を設けたいという提案を受けていたが、厚労省の考えを聞き、障害者団体側がもつ問題点を議論する方向にしたいという意見がだされた。
また、早急にそれぞれの団体が課題を出し合い、今後の検討における共通の認識を作っていくことが確認された。
また、この間の動きとして、厚労省が1月末に各自治体に示した”ホームヘルプサービスの国庫補助配分予定額””居宅生活支援サービスの事業運営上の工夫について”と、それを受けての自治体の反応についての情報交換を行った。
午後4時からは、村木企画課長をはじめとする厚生労働省との話し合いを行った。
高橋紘士氏に加え、老健局から渡辺企画官(総務課)、宮崎課長補佐(介護保険課)が出席され、それぞれから介護保険制度についての説明が行われ、その後、質疑を含めた議論がなされた。
高橋氏は「介護保険と障害福祉」と題する資料に基づいて話をされた。概要は以下のとおりである。
税方式か保険方式かではなく、必要とされる介護のニーズにどう機動的に対応するかという仕組みとして介護保険をとらえる。一般財源は政治的な仕組みとして配分が決まるが、介護保険は福祉にしか使われない特定財源である。
介護保険導入によって、3年間で高齢者人口の増加分をはるかに越えてサービスが増加した。保険はニーズの増加に応じサービスを増やすのになじむ仕組みである。
介護保険は赤字が発生すれば財政安定化基金から借りて運営し、次期のでどう見直すかを議論できる柔軟な仕組みをもっている。
介護保険は市町村が必要なサービスを考え、保険料を決め、運営する地方分権の仕組みにのっとっている。
従来の福祉は問題がおきた時に救済するという仕組みだったが、介護保険はあらかじめ必要なサービスを明らかにし、標準的なサービスを提供する仕組みである。
介護保険の現在のケアモデルも転換が必要で、地域生活移行を痴呆性高齢者を中心にして考える。地域に小規模、多機能型のサービスを作り出していく。
介護保険は標準的なニーズに対するサービスであり、介護保険では提供できない特別なサービスについても整備する必要があるが、中心部分として介護保険は機能する。
国民が保険料を負担するということは重要なメッセージであり、サービスを自分のこととして考え、自分たちで仕組みを支えていくという価値の転換が行われることが、議論の大きなポイントである。
続いて宮崎課長補佐により、「介護保険制度の現状と今後の方向性」と題する資料に沿って介護保険制度の目指した理念と現状、そして今後の課題についての説明が行われた。概要は以下のとおりである。
介護保険創設時の考えとして「社会連帯」「地方分権」「自立支援と在宅サービスの充実」「利用者本位」「公平な負担と給付」の5つの視点があった。
介護保険制度の実施状況として、全体では利用者が150万人から300万人に増加し、特に在宅サービスの伸びが著しい。また、財政規模も3兆円でスタートして現在5兆円になっており、ニーズに合わせて費用をまかなっている。給付が増えるにしたがって負担も上昇している。
介護保険制度に対する評価は、評価している人が発足時の4割だったが、現在は6割に増えた。
今後の課題としては、「制度の持続可能性」「サービスの在り方」「サービスの質の確保」「予防・リハビリテーションの充実」があげられる。
これらを受けて
現在の要介護認定の仕組みでは身体的な障害以外の多様な障害が評価されていない。これを今後どうするのか。
介護保険は標準的なサービスを提供する仕組みという話があったが、個別ニーズにどう対応するのか。障害者サービスは個別ニーズの重要性が大きい。
今後、介護保険の費用は高齢化の中で拡大していくと推計されているが、いずれ財源問題にぶつかるのではないか。障害者がその中に入っていくのは不安がある。
介護は日常生活・社会参加・労働のそれぞれの場面で必要であり、介護保険でどこまで担い、それ以外をどうするのかを考える必要がある。
今日の説明では、介護を受けながら地域で暮らすことを“自立”と言っていたが、介護保険の仕組みでは介護を必要としないことを“自立”と呼んでいる。“自立”をどちらの概念でとらえるのか。
などの意見が出され、現在の介護保険の仕組みを前提とせずに、現在の課題をどう介護保険の中で解決し、あるいはそれ以外の仕組みでどう対応するのかについての意見交換がなされた。
今回の議論を踏まえて、次回は12日に再度「介護保険制度の現状と今後の方向性」について、障害者団体の持つ課題も含めて議論することとなった。また翌13日には池田省三龍谷大教授から、市民活動として社会運動として介護保険をどうとらえるかをテーマに勉強会を開催する予定である。
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