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今年1月のホームヘルパー上限問題に対する闘いの結果、「障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会」が設置された。5月以降、毎月2回のペースで会合がもたれてきており、すでに9回が開催されてきている。
この検討会が設置される経過からすれば、当然のことであるが、毎回50名以上の傍聴参加があり、委員、事務局を含めると100名近くの出席者となり、さながら集会の様相を呈している。
これまで6回の検討会では、委員からの報告とヒアリングを主な議題としてきた。そのため報告とそれに対する簡単な質疑応答という形で進められてきた。(もちろん、知的障害者自身の当事者参画という最も基本的な点をめぐっての議論はなされてきたが)
7回目(9月8日)以降の検討会で、少し議論がなされるようになり、検討会らしくなってきた。第8回目検討会最後に、「次回の検討会ではホームヘルパー等の居宅3事業(ホームヘルパー、デイサービス、ショートステイ)を集中的に取り上げたい」との提案が事務局からあった。
それを受けて、急きょ、DPI日本会議として、検討会の進め方(議題やヒアリングの設定等)についての意見をまとめ、インターネット等で募集した意見とあわせて提出した。
(全文)障害者(児)の地域生活支援の在り方にかんする検討会
の進め方についての要望書
この意見書では、検討会が設置されるに至った経過を再確認することを求めた(項目1)上で、ホームヘルプサービスの国庫補助基準の見直し(項目2)、ホームヘルプ予算の義務的経費化(項目3)を検討会の議題とすることを提起している。
1月の闘いのきっかけとなったヘルパー国庫補助基準の見直しを検討会で進めていくことは当然のことである。ただ、その際、現在の枠組みの中での配分基準の見直しにとどまらずに、確実に財源が地域生活関連にシフトしていくようにしていく必要がある。特に、現在進められている「構造改革」の中では義務的経費と裁量的経費で国の責任が大きく異なってくる。現在、ホームヘルプサービス予算は不当にも裁量的経費として位置づけられているが、地域生活を支える中心のサービスとして、障害者の生命に関わるものであり、ヘルプ予算に伴う人件費が主な使途である。そうした点をふまえて、義務的経費化の議論を求めている。
続いて、障害者のニードに応じて包括的な支援が得られるよう新たな人的サービスの創設の検討を求め(項目4)、費用負担の見直し(項目5)を議論することを提起している。これまで複数の委員からの報告や海外事例のヒアリングの中で、パーソナル・アシスタント・サービスの必要性が提起されてきている。これまでの検討会での地域生活支援の実例の報告を聴いていると、施設サービスに比べて、地域生活に関するサービスの層の薄さを実感する。事務局がつくった資料では、支援費以外に就業や教育なども含めて様々なメニューを用意しているということなのだろうが、結局、細切れなメニューが用意されているだけと言える。あらためて、施設中心の施策体系の上で、付け足し的に地域生活支援のサービスが進められてきた歴史を感じずにはおれない。
「パーソナル・アシスタント・サービス」を一つのキーワードにして、既存の地域生活支援の体系を洗い直し・再編と、障害者の地域生活実現の人的サービスを創出するような議論が求められている。
また、視覚障害者委員からの報告でもふれられていた通り、少なくともガイドヘルパー(視覚、全身性、知的)については、これまで本人負担を基本としてきた。ところが、支援費制度になって新たに扶養義務者からも利用料が求められることとなった。扶養義務の見直しは、長年の障害者運動の課題でもあり、検討会でも議論がなされる必要がある。
意見提起では、さらに、自立生活体験事業・プログラムの創設(項目6)、施設からの地域移行の具体計画の検討と「施設待機者」とされている者についての実態把握を求めている(要望項目7)。
これまでの検討会の報告やヒアリングの中で、障害別を超えて共通してふれられていたのが、自立生活、地域生活体験のための活動やプログラムの重要性である。現行のサービス体系では、「ショートステイを通じて施設生活を体験し慣れながら、施設に入所していく」という施設入所への回路はあるが、それに比べて、地域生活をステップアップして継続していく機会がきわめて乏しいということが述べられていた。脱施設−地域移行を進めていくためにも、また、親元での生活から社会サービスを活用し自立した生活へステップアップしていくためにも、検討がなされる必要がある。
そして、「地域生活支援の在り方」の検討と切り離せない問題として、施設からの地域移行、脱施設化のための具体的計画とサービス・財源をどうシフトさせていくかという大きな課題がある。国の障害者基本計画では、「施設からの地域移行」「入所施設については地域の実情に応じて慎重に検討」という方向が打ち出された。今まで数値目標を掲げて入所施設を増設してきたことに比べると、一定の方向が示されたと言える。しかし、具体的な年限を定めて、いつまでにどのような形で地域移行を進めていくのかといった計画があるわけではない。昨年から宮城県等いくつかの自治体で施設解体宣言の動きが出てきている。支援費制度の狙いの一つが「施設から地域の流れ」というならば、具体的な計画とそれに応じた地域生活支援のサービス・財源の充実が不可欠である。
また、入所施設の建設を止めると言っているわけではなく、「地域の実情に応じて慎重に検討」との表現が、かえって「地元要望」という形で入所施設を求める声を高めていると伝えられる。その時の「根拠」としてあげられるのが、「施設待機者数」である。しかし、「親なき後の施設」と表現されるように障害者本人が施設入所を望んでいるわけではない。「施設待機者」とされているのは、地域での生活を(社会サービスを活用して)継続していくことが困難な状態にあることの現れである。「施設待機者数」を鵜呑みにするのではなく、居宅支援費の利用状況や相談支援を得る機会があるか等、実態を丁寧に把握する必要がある。
今後の検討会の進め方として、地域での自立生活を進めている障害者からのヒアリング(項目8)、介護保険部会の議論への反映(項目9)、精神障害者の地域生活支援との連携、知的障害当事者の参画(項目10、11)を要望している。
これまでヒアリングがなされてきたが、支援費制度を使って自立生活をしている重度障害者の具体的な実態を聴く機会はもたれていない(事務局からのサービス事例のような形で出されただけ)。支援費制度に伴う障害者の生活への具体的な影響を把握していくためにも、今後ヒアリングが必要である。
また、精神障害者施策との連携、知的障害当事者の参画については、この検討会の当初から議論となってきた。これまでの医療モデルの元では障害別の施策が強調されてきた。しかし、地域生活を軸においた場合、ホームヘルプやピアサポートという点では共通点が多い。そして、知的障害当事者の参画については、三度の検討会での議論の末、「発言もできるオブザーバー」という形になっているが、やはり正式な委員として位置づけられる必要がある。
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