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第6回DPI世界会議札幌大会報告集 世界の障害者―われら自身の声

トップページ障害者を取り巻く問題社会福祉基礎構造改革支援費支給制度改革のグランドデザイン案」について

■■ 2005年1月25日、28日 ■■

 1月25日 ビラ配り、アピール行動
       対>第24回社会保障審議会・障害者部会
   28日 対>厚生労働省 (10.20継続交渉)

■ 10.20継続交渉(1月28日)要望書

 「自立支援給付法」要綱案に関する見解
     1月25日社保審・障害者部会傍聴報告

SSKS われら自身の声 2005年2月号より

社保審・障害者部会 「自立支援給付法」要綱案出される
−「私たち抜きに私たちのことを決めるな!」

DPI日本会議事務局長・尾上浩二

 去る1月25日、当事者抜きの政策決定に対する抗議行動が厚労省前で繰り広げられる中、社会保障審議会・障害者部会が開催された。「障害者自立支援給付法」の要綱案について事務局から説明がなされ、各委員から質問や意見が相次いだ。元々は「障害者福祉サービス法」と言われていたものだが、とても「サービス法」という名に値するものでないからか、「自立支援給付法」という名称となった。

■「グランドデザイン」に基づく「自立支援給付法」要綱案
 「自立支援給付法」要綱案は、「改革のグランドデザイン案」に基づいたものである。昨年10月にグランドデザイン案を発表した際に、厚労省は、「討議のためのたたき台であり、今後、関係者の皆さんの意見をお伺いしながら検討したい」と言っていた。だが、当初の「案」から修正された点は、医療費公費助成の見直しや応益負担導入に伴う「激変緩和措置」と、重度訪問介護と行動援護という形で移動介護の一部を個別給付に残すといった程度である。そして、いずれも、基本的な問題点を解決するものではないし、「激変緩和措置」は文字通り、2〜3年間の経過措置だ。
 法案要綱では、その法の目的を、「障害者及び障害児が、その有する能力を活用し、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害者福祉サービスに係わる給付等を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図ること」としている。
 わざわざ、「障害者がその有する能力を活用し」としていることには大きな違和感を感じずにはおれない。周知の通り、昨年6月の障害者基本法改正では、それまであった「その有する能力を活用することにより、進んで社会経済活動に参加するよう努めなければならない」とした「自立への努力」規定を削除した。こうした時代の流れに逆行するものではないのか。あるいは、将来の介護保険統合を見越して、介護保険にある「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう」という規定に準じた表現を入れようとしているのかと、うがった見方をしてしまう。

■介護給付以外の個別給付は「訓練給付」「医療」「補装具」?
 そして、今後のサービス体系を、「自立支援給付」と「地域生活支援事業」の二つに大きく分け、前者を個別給付、後者を市町村の裁量で行える事業としている。
 自立支援給付には、介護給付、訓練等給付、サービス利用計画作成費、高額障害者福祉サービス費(上限額を超えた応益負担部分を補う)、自立支援医療費、療養支援医療費、補装具等が入る。(現在の基準該当サービスは、特例介護給付費という形になる)。
 介護給付費として次のようなものが掲げられている。居宅介護、重度訪問介護(現在の日常生活支援)、行動援護(重度の知的・精神の一部を対象に、今回新たに設けたもの)、療養支援、生活支援(現在のデイサービス)、短期入所、重度障害者包括支援、共同生活介護(重度型のグループホームであるケアホーム)、施設入所支援(入所施設の宿泊機能部分)
 訓練等給付は、自立訓練、就労移行支援(現在の授産訓練)、就労継続支援(現在の福祉工場)、共同生活援助(就労を前提にしたグループホーム)という形で、施設が行う日中活動を中心にしたものになっている。
 これらの給付はサービスに必要な費用の9割給付−つまり残り1割を自己負担とすることになっている。
 地域生活支援事業は、相談支援と権利擁護、移動支援、日常生活用具、手話通訳等を「市町村が行う事業として定めること」としている。しかし、この規定が、どの程度実効性あるのか大いに疑問である。
 以上のようなサービス再編の上で、大きく変わるのが支給決定の仕組みである。「市町村は障害程度区分、介護者の状況、障害福祉サービスの利用に関する意向等を勘案して支給決定を行うものとする」とした上で、「市町村は必要があると認める時は、障害者給付審査会又は更生相談所等の意見を聴くことができるものとする」と、障害程度区分の決定と必要な場合(長時間介護等の場合?)は認定審査会に図ることができる仕組みを規定している。
 さらに、昨年12月の「骨格案」に比べて、さらに悪くなっている部分がある。今回の法律によって義務的経費化を図るというが、元々の案でも、サービスにかかった費用の2分の1全部を国はカバーするわけではなく、あくまでも障害認定区分ごとの人数等により算定した額を負担するとしているに過ぎない。
 そうなると、国が想定している水準よりも重度障害者へのサービスをしっかりと出してきた自治体は、割を食うことになる。そのために、「重度障害者調整交付金」といった仕組みが言われていたが、今回の要綱案の段階で無くなってしまっている。より一層、重度障害者のサービス利用が切り縮められかねない。

■拙速の極みの法案議論−地域から声と力を結集しよう
 以上のような法案要綱に対して、各委員からも質問、要望が相次いだ。「グランドデザイン」案当初から指摘されてきた、「応援負担・医療公費助成等の負担と扶養義務強化」「認定審査会の権限と役割、構成」、「移動介護の地域生活支援事業化」「グループホームの障害別区分けとミニ施設化」等の問題について、基本的に当初案のままになっているからだ。そして、複数の委員から、委員としての責任を果たし得ない審議時間の短さ、市町村の体制整備ができない実施スケジュールの問題等が提起されたが、通り一遍の回答に終始した。さらには、今回の議論をまとめて、パブリックコメントにかけるべきだとの提起に対しても、「国会で法案を審議してもらうので、パブリックコメントは行わない」との対応だった。
 わずか3カ月の議論でまとめられ、2月には国会上程するよう閣議決定がなされる。もし、このまま可決されれば、医療費公費助成の見直しが今年10月、福祉サービスの応益負担や実費負担の導入と認定審査会の導入が来年1月、移動介護の地域生活支援事業化等は来年10月には実施されることになってしまう。
 制度全体に関わる見直しであり、障害者のサービスと生活は大きな影響を受けざるを得ない。そして、制度の実施主体である市町村も体制整備等の準備期間の余裕は与えられていない。このような拙速な進め方は、現場での大混乱と、障害当事者はもとより、市町村をはじめとする行政、事業者など関係者の不信と反発を生むことになる。
 国会での上程−議論が進められていく2月中旬、そして、さらには具体的な法案審議に入る時期等、時々をとらえた行動と、何よりも、地域からの私たち一人ひとりの声と行動が重要な時期に来ている。全国レベルでの大行動とともに、各地で地域集会が開催される予定である。


今こそ、「私たち抜きに私たちのことを決めるな!」の声を、
より高らかに、そして、全国各地からあげていこう。

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最終更新日2005.2.2