| 支援費単価の見直し案の大阪市における影響
−長時間介護を必要とする全身性障害者、知的障害者を直撃
今回の支援費単価の見直しで、ある意味で大きく影響を受ける地域の一つが大阪市と言える。
大阪市の場合、全身性障害者介護人派遣事業、知的障害者ガイドヘルパー等の利用者がきわめて多かったことから、今年の支援費制度移行に伴う単価アップをカバーさせるのに精一杯で、「現状サービス水準の維持」という支給決定になった。
そのため、以下のように複数のパターンになるが、特に自立生活、地域生活に関連したパターンをあげると、次の4つになる。(行頭の丸付き数字は後の丸付き数字に対応)
@全身性障害者で日常生活支援102時間+移動介護51時間を基本パターン
A一人暮らしの場合は、それに旧来のホームヘルプの月78時間が上乗せ=日常生活支援180+移動介護51時間が最長ということになる。
D知的障害者の場合はグループホームや一人暮らしをしている場合は、身体介護月78時間
Eさらに、移動介護を併用している場合は、身体78時間+移動介護51時間
現在の財政非常事態宣言が出ている大阪市では、支給決定が大幅に変更されることは当面難しいと思われる。現在、不十分な時間決定であるにもかかわらず、何とか自立生活センターや知的障害者の支援団体等のNPO系が制度を薄めて伸ばす形で長時間介護の派遣を行ってきた。そして、その薄める制度のもとになっていたのは、身体介護付きの移動(全身性障害者の場合)、または、身体介護(知的障害者)の単価だった。
この部分を今回見直すことになっているので、下記の通り、制度以上に長時間介護を行ってきたと思われる@、A、D、Eのパターンの目減り率が28〜37%ときわめて大きくなっている。大阪市の例でいえば、3割〜4割弱の減になるのが今回の見直しということになる。
●大阪市の支給決定時間数を元にした試算の例(大阪市の単価計算)
単価は平均の単価で計算(実際には利用時間によって金額が微妙に変わってくる)
@日常生活支援102時間+移動(身体介護あり)51時間のケース
全身性障害者で一番多そうなケース
・現 行〜1830円×102時間+4300円×51時間=186,660円+219,300円=405,960円
・変更後〜1720円×153時間=263,160円(142,800円、64%=36%ダウン)
A日常生活支援180時間+移動(身体介護あり)51時間のケース
大阪市で一人暮らし長時間で認められている支給決定のケース
・現 行〜1830円×180時間+4300円×51時間=329,400円+219,300円=548,700円
・変更後〜1720円×231時間=397,320円(151,380円、72%へ=28%ダウン)
B移動のみ51時間利用(身体介護なし)
知的障害者で多いケース
・現 行〜1620円×51時間=82,620円
・変更後〜6時間連続の利用が8回+3時間が1回の場合(6時間では=1時間半まで2910円+4時間半の分は30分が830円となる〜830円×9=7,470円)
(2,910円+7,470円)×8回+(2,910円+2,490円)=83,040+5,400円
=88,440円(5,820円、7%のアップ)
*1時間半以上連続使用の場合は30分879円(1時間1758円)になるとするとアップ率は下がる。
C移動のみ51時間利用(身体介護あり)
実際にはあまりないケース
・現行 〜4300円×51時間=219,300円
・変更後〜6時間連続の利用が8回+3時間が1回の場合(計算は上記と同じ)
=88,440円(130,860円、40%へ=60%ダウン)
D身体介護78時間
重度の知的障害者でグループホームや生活支援が必要なケース・1回連続3時間とすると…
・現 行〜11,850円(3時間)×26回=308,100円
・・再変更後〜(5,840円+830円×3)×26回=(5840円+2,490円)×26回=8,330×26回
=216,580円(125,320円、63%にダウン=37%のダウン)
E身体介護78時間+移動(身体介護なし51時間) C+Aの計算になる
上記と同じケースで実際には移動も使っているケースが多いので合計してみると・・・
・現 行〜308,100円+ 82,620円=390,720円
・・再変更後〜216,580円+88,440円=305,020円(119,500円、71%=29%のダウン)
計算根拠の額
一番利用が多そうな時間帯を考慮した平均額
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身体 |
日常 |
家事 |
| 日中 |
4300円 |
1830円 |
1620円 |
| 早朝夜間 |
5370円 |
2280円 |
2020円 |
| 深夜 |
6450円 |
2740円 |
2430円 |
介護保険単価
生活援助2080円→特甲地の大阪市は2204円
身体介護の単価は支援費と同額
一番問題なのは「施設」関係の経費はほとんど手をつけず、グループホームやホームヘルプなどの居宅関係は大きくカットする。しかも今回は時間数の制限は一切言及せず、単価などを見直す、障害者団体の意見も聞いたというポーズを取りながらばっさり削るということか。
まだ案ではあるが、考えられる課題をすべて見直す感じである。少なくともこれでは地域移行は更に厳しくなるのは確実だし、制度発足1年で突然これほど大きな見直しをするのは事業者としても経営方針が立てにくいし、重度の障害者や社会参加部分を担っている障害者団体系の事業者が大きなダメージを受けるのは間違いない。事業者といっても介護保険中心の業者にすれば障害者の単価も介護保険と同じようになったというレベルだろうし、介護保険では基本的に薄く広くやって収益を上げているし、支給決定を受けた時間数に対応した範囲でしか派遣していないのでたいしたダメージはないだろう。
しかし長時間や重度の障害者を中心にやっている事業者の多くは障害者団体系だが、必要な時間数が実際には満たされてない自治体が多い中で「薄めて」使っている実態も多いだろう。また介護派遣だけでなく生活全般の支援も含めて取り組んでいることもあり今回の単価等の見直しは大きなダメージになる。
また支援費は直接事業者に介護料が入るのではなくあくまで代理受領であるから本来の姿から見ても事業者のダメージというだけでなく利用者本人へのサービス水準自体が大きく下がることになる。
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