| SSKS われら自身の声 臨時号 Vol. 18/3
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ホームヘルプ「上限」を許さない
坂口厚生労働大臣への要望
ホームヘルプサービス国庫補助金交付基準問題に関する見解
(支援費全国緊急行動委員会)
これまでのホームヘルプサービス事業の経緯
今回の補助金交付基準の設定に関する厚労省の説明
【厚労省の主張に対する反論】
当会の主張
これまでの経過と今後の予定
ホームヘルプ「上限」を許さない
1日4時間以上の介助が必要なら施設に行けというのか
4月から始まる支援費制度の居宅介護支援(いわゆるホームヘルプ)の国の補助金基準として、身体障害については1ヶ月120時間(1日4時間)という枠が検討されています。厚生労働省は「補助金を市町村に配るときの基準であって、介護時間の制限はしない」と言っています。しかし、市町村の立場からすれば、国のお金なしに介助サービスを提供することは不可能です。
厚生労働省官僚の強行突破は許さない
予算には限りがあります。当然何らかの配分方法は必要です。しかし、「公平性」の名の下に、重度障害者を施設や病院に追い込むような配分基準は決して許されるものではありません。
東京都をはじめ多くの自治体で、人工呼吸器を使うような重度障害を持つ人たちが地域で暮らせるようにとホームヘルプサービスを充実させてきました。自治体も国の無責任さに怒っています。東京都は国に対して上限を撤廃するよう、要望書を提出しました。他の自治体もそれに続こうとしています。
坂口厚生労働大臣は17日の記者会見で「(障害者と厚労省は)お互いに理解できていると聞いている」と発言しました。この事実誤認は、厚生労働省の官僚たちがこぞって「ウソ」の報告を大臣にしていることから生じています。お互いに理解できているのなら、厚生労働省に1200人も詰めかけたりはしません。厚生労働省の官僚たちは、そうまでして今回の「配分基準」を押し通そうとしています。
DPI日本会議は、日本身体障害者団体連合会・JD(日本障害者協議会)・全日本手をつなぐ育成会とともに、下記の要求に対して24日までに回答をするよう、大臣に求めています。24日までに回答がない場合、または要求が聞き入れられない場合は、28日に予定されている都道府県主管課長会議に向けて、当事者の声を大規模にあげていきます。
坂口厚生労働大臣への要望
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直ちにホームヘルプサービスに関する検討委員会をホームヘルプサービス利用当事者過半数で作ること。
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15年度は現状のホームヘルプサービスの国庫補助金交付の仕組みを変えずに行い、支援費の単価で現状の仕組みに不都合があるか調査研究をすること。
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市町村障害者生活支援事業と障害児(者)地域療育等支援事業について地方交付税措置をとりやめ、国庫補助金制度にもどすこと。
ホームヘルプサービス国庫補助金交付基準問題に関する見解
支援費全国緊急行動委員会
(構成団体:全国自立生活センター協議会・公的介護保障要求者組合・
全国障害者介護保障協議会・DPI日本会議)
○これまでのホームヘルプサービス事業の経緯
・ホームヘルプサービスについて、厚生労働省は平成2年以降、各自治体に対し画一的な決定ではなく個々の障害者ごとの状況を総合的に検討した上で必要なサービス量を提供するよう指導してきた。またヘルパーの人材不足を解消するため、障害者が推薦する介護者をヘルパーとして派遣するなど柔軟に人材を確保する方策を認めてきた。この方針の中で、10年前から各地自治体で長時間の介護の必要な最重度の障害者にホームヘルプサービスが行われ、障害者夫婦や障害者1人暮らし居住、高齢・疾病など介護力が弱い家族の中でも重度障害者の在宅生活が進んだ。現在では、人工呼吸器等の医療的なケアが必要な障害者も地域で1人暮らしすることが可能になり、また、要介護の知的障害者、精神障害者においてもホームヘルプサービスを利用して地域で1人で暮らす人が増えてきている。
今回の支援費制度においても、そのような実績を踏まえてサービス量の低下をもたらさないと厚労省は繰り返し説明してきた。市町村への補助金についても国から50%が、都道府県から25%が補助されるが、最近5年間は国予算が余っていた。過去にゴールドプラン初期に予算(当時は老人と障害で一括予算)が足りない年度があったが、その時は各都道府県と協議して補助率を少し下げることで対応していた。
・ホームヘルプサービスの支援費制度への組み込みは障害者団体と厚労省障害保健福祉部が毎月話あいをしながら、お互いの事情を踏まえつつ調整してきた。その中で、"日常生活支援類型"の新たな設定やヘルパー資格等の調整が行われ、双方が納得する着地点を探していた。
しかし、今回の補助金交付基準設定については事前に一度も説明されることはなく、インターネット等で情報がもれ、新聞の報道で大きく広まった。それがなければ、厚労省は1月28日の支援費担当課長会議で決定事項として発表していたはずであり、これまでの信頼関係が一気に崩れる原因となっている。
○今回の補助金交付基準の設定に関する厚労省の説明
「ホームヘルプサービスについて、来年度は14.5%アップの280億の予算を確保したが、支援費制度によって利用促進が進むこと、介護保険と同等な単価設定による単価アップがあることで、予算が足りなくなるおそれがある。
また、ホームヘルプは地域格差が大きく、国として格差を是正するために補助金を公平、公正に交付する必要がある。制度の低い地域を底上げしたい。
上記2点の理由で、今回、障害の種類・程度(例:全身性1種類、知的2種類)に応じた利用枠を設定し、利用枠(全国平均時間)×人数という算定で、市町村に補助金を交付することを検討している。なお、これは市町村に対する補助金の交付基準であり、市町村の支給量の決定を制限するものではない。市町村は交付された補助金を用いて自由に支給量(ヘルパー時間数)を決定できるし、足りなければ自治体の財源で支援費の支給を行うことができる。補助金交付基準は補助金を市町村に出す以上必要であり、反対されても撤回することはできない。」
【厚労省の主張に対する反論】
| ◆「支援費に移行することで、単価のアップ、利用の促進により補助金が足りなくなる。」 |
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補助金が不足するという厚労省の主張は具体的な調査を基づいたものではないと認めている。実際に不足するかどうかは市町村の来年度予算を集計すれば、具体的にわかるはずであるが、調査もするつもりはないとのことである。 |
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自治体も事業費の1/4の負担があるので、支援費になったからといって、大幅に増えるわけではない。単価があがるかわりに時間数を下げることで現状維持や削減している自治体もある。全国平均では(国の予算アップ率の)14.5%を超えるようなアップしてはいない。
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◆「各地域のホームヘルプサービスについて格差があり、地域格差をなくすために補助金を公平、公正に交付する。」 |
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ホームヘルプサービスの水準が高い地域は、障害者が1人暮らし等する上で必要な自立生活プログラム研修やアパート探し、介護ボランティア確保等の自立支援サービスを提供できる自立生活センター等の障害者団体があった地域である。そのような支援サービスを受けて重度全身性障害者が1人暮らし、障害者のみ世帯、高齢・疾病の家族で生活をすることで、長時間のホームヘルプ制度がその市町村にできる。その上で、国と都道府県が3/4の補助を行い、障害者が推薦する介護者をヘルパーとして柔軟に確保する体制を奨励することでホームヘルプサービスが提供されてきた。つまり、支援体制があることで地域に1人暮らし等の重度障害者が現れサービス水準が上がるのであり、単なる補助金交付で格差がなくなるわけではない。 |
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同じ全身性障害者の人数がいる自治体でも、家族同居の障害者中心の自治体と、単身の障害者中心の自治体とではサービス総量は2倍以上違ってくる。そのような事情を無視して「障害者の人数×時間数」を補助上限とする案は、実態を正確にとらえていない。しかも、同じ身体状況で同じ家族状況の障害者のヘルパー利用時間はどちらのタイプの自治体でもあまり変わらない。厚生省案では、1人暮らし障害者が多い自治体では、家族同居の多くの障害者もヘルパー制度を抑制される。
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◆「水準が低い自治体の底上げを図る。」 |
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今回の交付基準をもって底上げにはならない。50%国庫補助を下回らないと約束しても、昨年までと同じ50%補助であり、今までヘルパー水準が上がらなかったものを改善できない。これまで国のホームヘルプ補助金が余っていたのも、自治体が25%負担を確保できなかったことが大きい。水準を上げるには1人暮らしが可能になる自立生活センターなどの障害者団体などの支援システム増加が必要である。
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◆「補助金交付基準と個々人への支給量(ヘルパー時間数)決定は直接関係ない。」 |
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補助金交付基準が法的に支給量決定とはならないことは理解している。しかし、自治体の現場では「補助金の制限=利用の制限」につながる。自治体も財政が厳しい中、自治体単独事業は廃止され、補助事業の枠内で事業を行うことが至上命令になっている。 |
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国が時間を用いた補助金交付基準を作り自治体に明示すると、たとえ個々人の上限を定めるものでないといっても、この時間数を事実上の上限として運用する市町村は必ず出てくる。全国には3300市町村があり、厚生省の方針をきちんと理解しない市町村の数は相当な数に上る。
現に、1982年に厚労省が通知を出した際に示された「週18時間を目安にヘルパー整備」の方針は多くの自治体の要綱でヘルパー時間の「個々人への上限」とされ、1991年に厚労省から「週18時間は整備目安であり、個々人への上限ではない」という指示文書が出されたが、それでも解決せず、その後10年以上たった現在でも、そのまま上限となっている自治体は多い。
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◆「補助金交付基準は補助金を交付するために作らなければならないものであり、反対されても作らざるを得ない。」 |
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補助金交付基準を作ることに反対しているのではなく、障害種別・程度による平均利用時間×人数を用いた補助金交付基準は問題を生じるので反対している。どのような問題がおきるのかは、厚生労働省は把握していない。当会は全国の自治体と重度障害者の状況を把握しており、レアケースもあるので、新しい基準を作る場合は当会も検討に加わり、調査もして時間をかけて基準を作るべきである。 |
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15年度は、補助金が不足する可能性はきわめて低いため(あるいは不足してもわずかのため)、現在までの方法(各自治体の前年度実績に応じた交付を行い、補助金が足りない場合は、全体の国庫補助率を50%より下げる)で対応することで不都合は生じない。 |
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ショートステイ、デイサービスに関しては同様の補助金交付基準を作らないと説明しており、ホームヘルプだけにこのような基準を設定することの意図が全くわからない。 |
当会の主張
●これまでの厚労省が、障害者のホームヘルプを画一的な決定ではなく個々の障害者ごとの状況を総合的に検討した上で必要なサービス量を提供するよう指導してきたことを評価しており、これにより、重度障害者の地域居住が進んできた。支援費制度は地域福祉を推進することを理念としており、今後もこの方針を継続して欲しい。
●これまで厚労省は障害者団体と協議しながら支援費制度を作ってきたのに、今回の補助金交付基準についてはこれまで全く知らされていなかった。このような仕組みは全国の現場を知る障害者団体と十分な協議がなされた後に導入すべきである。
また、私たちはサービスや補助金を無制限に欲しいといっているのではなく、280億円という来年度予算枠があることは十分理解している。ただし、現状の補助金交付の仕組みで不都合が生じると思えず、現在検討されている交付基準は障害者からも各自治体からも反対されており、制度発足を目前とした時期に突然持ち出し、導入を強行しようとする厚生労働省の姿勢は混乱をもたらし、4月から始まる支援費制度に対する不信感を増幅させている。
●従って、今回の補助金交付基準は白紙撤回し、速やかにサービス利用の障害者過半数で構成されるホームヘルプサービスに関する検討委員会をたちあげ、平成15年度については現状の交付基準で実施しながら、支援費制度においてどのような交付基準が望ましいかの調査研究を行うことを要望する。
これまでの経過と今後の予定
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