DPI日本会議ロゴ

特定非営利活動法人
DPI日本会議

ホーム
上へ
サイトマップ
DPIとは
活動内容
障害者を取り巻く問題
権利擁護センター
書籍案内
リンク・情報コーナー
機関誌「DPI」
メールマガジン登録
各種募集
DPIカード
第6回DPI世界会議


★おすすめの本★
第6回DPI世界会議札幌大会報告集 世界の障害者―われら自身の声

トップページ活動内容国際活動崔昌鉉(ちぇ・ちゃんひょん)さん>岡山

【写真館】 福岡 広島 岡山 大阪 名古屋 東京 ゴールイン(稚内)

岡山の様子 サポート・ドライバー体験記 野上直樹 

岡山の出迎え 旅立ち作業所所長の坂本さん

写真

毎日新聞の取材。中央は、大阪の平岡さん。

   平岡さんもニッポン縦断にチャレンジしていて、

   今、九州へ向かう途中。激励に駆けつけてくれた

岡山で出迎えたメンバーと

伴走車の運転ボランティア

いざ、出発。いきなり飛ばす

車の中で、やたらと旗が目立っていました。

写真提供 青野知恵美さん

2003年4月29日 崔昌鉉、李景子様

□■サポート・ドライバー体験記□■

《 I can do it 》 岡山から伊部まで
野上直樹

■ 9時15分頃、宿泊先であるチサンホテルに到着。昨夜岡山に一泊し、今日は神戸へ出発する。

■ フロントから部屋へTELして「手伝うことありますか」 と伝える。
「あと20分後バッテリーを運びます、又、多くのバッグがあります。お願いする時はロビーに降りていきます」「じゃあ待ってます」と電話を切る。青野ちえみさん、●●さんが来られる。「2時か3時頃までサポート・ドライバーをします」と伝える。車を駐車場から出し、ホテル前につける。

■ 重たいバッテリー4つと、バッグ4つを車に積む。車内は荷物でごったがえしている。少し整理しながら、李景子さんがてきぱきと積み込む。高校生も同乗するが、後ろの座席は荷物があふれ座れない。李さんが荷物の間に体を割り込み座る場所を確保する。

■ 10時13分出発。●●さんが手を振って送ってくださる。崔さんの電動車椅子は三つのフラッグを高くはためかせ、快調に走り出す。(時速5〜6Km/h)(ほんとうは15km/h位は出る、台湾製)

■ 天気快晴で青空が広がり暑い、李景子さんは半袖シャツのみ。崔さんは薄手のジャンパーである。

■ チサンホテルより北上、就実高校を右折、鶴見橋を渡る、右手に新緑に浮かぶ岡山城を見ながら旭川を渡り、プラザホテルを過ぎる。

■ 青野さんは自転車で歩道を伴走している。結構自転車と電動車椅子はいい勝負だ。祭日だが車は非常に多い。原尾島で青野ちえみさんと別れる。

■ 口にくわえたレバーを操作する(両手はひもを持ちサイドに広げているのでこれから飛翔しようとする鳥のようだ。)旧国道2号線を東へ順調に走る。このあたりは国道とはいえ2車線で道幅も狭い。車道の端を進む電動車椅子を追い越すのに後続の一般車両は苦労する。対向車線が空いてから、そちらへ迂回し電動車椅子を追い越す。従って対向車線が混んでいる時は崔さんの後に長い行列ができる。伴走車も一般車両の流れを邪魔しないように、主に路線バスの停留所へ入り、待機する。伴走車と電動車椅子は抜きつ抜かれつ、今晩の宿泊予定の神戸を目指す。

■ 釣竿の上につけた韓国国旗、アピール旗、スポンサー旗は皆の視線を集め、誇らしげに佇立する。過ぎ去るガソリンスタンドの店員、コンビニ店員も手を振る。助手席の李景子さんが愛想よく手を振る。追い越す車、対向車線の車も、ツーリング中のバイクグループも何事かと、顔を向ける。運転する私は少し恥ずかしい気持ちになる。
先ほど手を振ったばかりの李景子さんはコックリコックリしている。

■ 疲れと睡眠不足でつい居眠りをしているのだろう。誰も睡魔には勝てない。そのままそっと運転を続ける。しばらくして、「I'm very sleepy」という。「OK,I drive a car,You sleep」「That's all right.You are so tired,you have to sleep」と返す。メチャクチャな英語も結構通じる。

■ 李景子さんは国際運転免許証と米国のドライバーライセンスを持っているが大邱では車もないし、運転しないと言う。
「エー、それで日本で運転して大丈夫なの?」と心の中で思う。
しかし彼女は一人で、鹿児島から運転してきたのだ。尾道からしまなみ街道のseven beidgeを通過、高松から児島経由で岡山へ入ってきたのだ。

■ 旧暦穀雨の時期は雨の日が多い。崔さんはカッパを着て走り続けたそうだ。伴走車はHYUNDAI JAPANの3ナンバーである。
「車はHYUNDAI JAPANがプレゼントしてくれたの?」と聞くと、
「それならうれしいが、Free Lentalです。」とのこと、習志野のナンバーがついている。伴走車のボディーにはあちこちに貼紙がガムテープでとめてある。まるでラリー車のようだが、あいにく紙に書かれたマジックの字は、長い時間で色あせて読みにくい。

■ 12時前、平島の手前のローソン駐車場に電動車椅子が入る。バッテリー2個を積んでいるが1〜2時間で交換するとのこと。バッテリーは座席の下にあるため一旦崔さんを抱えて、伴走車の助手席に移す。電動車椅子の座席をはずし、バッテリーを交換する。崔さんはいただいたパンとポカリを飲み、これが昼食となる。もちろん李さんの食事介助で食べさせてもらっている。昨夜の中華パーティではビールも飲ませてもらっていた。ちなみにさすが韓国人、中華屋でキムチを注文していたが、残念ながらなかった。崔さんは小食だそうだ。

■ 陽射しが強いので日焼け止めクリームを塗ってもらい、サングラスをかけてもらう。国道2号線はそれにしても排気ガスがすごいだろうと思う。私も往診でバイパスをスクーターで行くことがある。排気ガスのいやらしさは良くわかる。
排気ガスのないクリーンな車(特にバス、トラック)が増えてほしい。
崔さんは右の腰、臀部、右股関節部に痛みがあり夜、李さんがマッサージしているそうだ。事前に知っていたならと、マッサージ師は悔やむ。

■ 長船を過ぎ、吉井川を渡り、香登に入る。のぞみ新幹線を左手に、右手にローカル3輌編成の電車を見ながら東進する。韓国でも釜山からソウルへ新幹線ができるとのこと。崔さんは、31年間部屋の中だけで暮らし、学校に行っていないが、学校を出た私(李さん)よりIQはずっと高いと李景子さんは笑う。
えーそうなんですか、信じられないと返事をする。

■ もうすぐ、お別れだ。伊部で降り赤穂線で帰岡する予定である。
「降りてなんで帰るのですか」「by train」と又、つたない英語で答える。
伊部駅前で停車し、崔さんが追いついてくるのを待つ。
崔さんは日本語で「ありがとう」と言われる。「無事に北海道に到着するのを祈っています」と伝える。「気をつけて」と別れのあいさつの後、李景子さんが一人運転席に乗り込み、先に発車した電動車椅子を追走して神戸に向かった。
・・・どうか事故のないように・・・