2004年12月27日

千葉県市原市設置の八幡宿駅橋上東西自由通路の
「車いす対応エスカレーター(日立製)」で起きた電動車いす使用
障害者の転落事故についての見解と要望

DPI(障害者インターナショナル)日本会議
議 長  三 澤  了

 DPI(障害者インターナショナル)は、すべての障害者の権利と自立生活の確立を  めざして活動している団体であり、国際障害者年の1981年に障害をもつ当事者の「われら自身の声」をスローガンとして結成されました。現在130ケ国をこえる国々にDPIの国内会議が結成され、障害当事者による国際的な協力関係づくりに向けて努力を重ねており、国連においては障害者関連の諮問団体として認知されています。
 DPI日本会議は、1986年に日本におけるDPIの国内会議として結成されて以後、 障害者の人権の確立にむけて必要な諸活動を展開しており、身体・知的・精神障害、難病等の障害種別を超えて、地域生活・自立生活が実現できるよう障害者の権利実現にむけて取り組んできている団体です。
 私たちは、この度の「千葉県市原市設置の八幡宿駅橋上東西自由通路の『車いす対応エスカレーター(日立製)』で起きた電動車いす使用障害者の転落事故について」について、重大な危険性を含む問題があると認識しています。
 それは、「車いす対応エスカレーター」・モード状態で、「車いす対応エスカレーター」機器そのものの誤作動・欠陥の可能性が出てきた点であります。
 これは、これまで私たちが、「車いす対応エスカレーター」について、もっとも恐れていた安全性への不安が一挙に噴出する契機となり、多くの車いす使用障害者に強い衝撃を与えました。
 この事故における最も重要な問題点は、国内の多くの鉄道駅構内や駅を跨いだ橋上自由通路に、鉄道事業者や沿線自治体が、「車いす対応エスカレーター」を設置・運用していることであり、車いす使用障害者や高齢者は、それらを利用せざるを得ない状況にいることです。
 さらに、その車いす対応モード機能が突然階段になるということは、車いす使用障害当事者は、もちろんのこと、駅務員等も転落を防ぎ様のない状況になることです。
 このことは、車いす使用者の「車いす対応エスカレーター」を利用してきた利用実感の降車時の恐怖を増幅させ、車いす使用者の中には、「車いす対応エスカレーター」をこれからは二度と利用したくないという声が相次いで寄せられています。
 私たちはDPIの発足当初から、階段のある駅には、橋上・地下通路には、誰もが安全に自由に使える「エレベーター」を設置してほしいと強く求めてきました。「エレベーター」でない昇降機は、ことごとく、私たちに事故との背中合わせの昇降移動を余儀なくさせてきました。
 私たちは、もうこれ以上、社会参加する上で欠くことのできない公共交通機関の利用において、心身の安全を脅かされる様な移動状態に耐えられません。
 公共交通機関と付帯する今回の様な高架・地下通路を含めて、「エレベーター」以外の昇降機は、設置しないでください。設置する時は、「エレベーター」を設置してください。
 今回の事故において、電動車いす使用障害当事者の方は、奇跡的に一命はとりとめられたものの心身ともに重症を負われました。
 また事故後の経過についても、私たちをして憤らせるものがありました。それは、障害者の移動と障害者自身のいのちをあまりにも軽んじているのではないか、と思わせる関係機関の対応です。 
 
 私たちは、この様な痛ましい事故が二度と起こってはならないと考えます。再発を防ぐために、下記諸点を関係各位に強く要望します。

要望項目

  1. 転落事故の原因を徹底して究明してください。それを速やかに公表してください。

  2. 「車いす対応エスカレーター」が開発されて以来、この様な事故例があったのか、あるいは、どの様な事故例があったのかを調査・公表してください。

  3. 市原市は今回の事故の事実を直視し、早急に貴市設置の「車いす対応エスカレーター」設置箇所に、「エレベーター」を設置してください。

  4. 「車いす対応エスカレーター」を設置する国内すべての鉄道事業者・駅に敷設する地下または高架自由通路・ベデストリアンデッキの設置自治体等に訴えます。今後設置する昇降設備は「車いす対応エスカレーター」を絶対に設置しないでください。
    私たちは、「車いす対応エスカレーター」設置に強く反対します。必ず「エレベーター」を設置してください。

  5. さらに、事故の原因が解明されるまで、現在、設置されているすべての「車いす対応エスカレーター」の車いす対応モード使用は、停止してください。
     

以上