2002年11月 日

東京都福祉局
局長 川 崎  裕 康  様

DPI(障害者インターナショナル)世界会議東京行動委員会
代表  横山 晃久

支援費制度導入にかかわる介護施策に関する要望書

私たち「DPI世界会議東京行動委員会」は、本年10月の「DPI世界会議札幌大会」の成功にむけた取り組みをしていきながら、都内の障害者団体の連絡調整をおこない、障害当事者が地域社会で暮らすための生活基盤と権利の確立をめざして活動しています。
 さて、DPI世界会議札幌大会は、国内外からボランティアを含め、6000名を上回る史上最高の参加者のもと、国連に対して「障害者権利条約」の制定を強く求めていく「札幌宣言」を採択するなど、大成功のうちに終えることができました。
 心より感謝を申し上げる次第です。

 来年4月より導入される支援費制度は、いわゆる社会福祉基礎構造改革の一環のもので、「措置から契約へ」というスローガンの象徴的な意味をもつものと私たちは考えています。このことについては「DPI世界会議東京行動委員会」に連なる団体・個人相互で、様々な意見・思い・危惧が存在しています。
 それらの様々な思いの中で、障害の重い全身性障害者等の地域社会における介護施策・生活基盤などについて、現行の措置制度のものより、質的にも、量的にも、決して低下させてはならず、障害の重い当事者が選択できるシステムとすることの重要性は共通認識となっています。
 私たちはそのような立場で、来年4月以降の介護施策についてこれまで要望させていただきました。
 さる9月4日おこなった交渉においては、「全身性障害者介護人派遣事業」のあり方、そして「利用者負担」をめぐる扶養義務のあり方について、貴職より満足な回答を受けることができませんでした。
 私たちは来年4月からの支援費制度の導入を前にして、障害の重い当事者が地域社会で生活するためのひとつのツールとなっている「全身性障害者介護人派遣事業」の問題を中心に下記のことについて、解明を求め、要望いたします。


【要望事項】

1.「全身性障害者介護人派遣事業」に関して
 「全身性障害者介護人派遣事業」は、東京都が他の自治体にさきがけてつくった、障害者自身が介護人を推薦でき、研修も必要とせず、硬直したホームヘルパー制度の欠点を補い、障害の重い人が地域社会で生活する上で、極めて利便性の高いものとなっています。
 国は9月12日の支援費制度担当課長会議において、全身性障害者を対象とする日常生活支援(仮称)サービスを設けていくことを示しました。私たちはこのこと自体については一定の評価を加えていきたいと思っています。
 しかし、サービスの単価、研修のあり方など、いくつかの問題点を抱えています。都におかれては、国の施策を活かしながら、国や他の自治体の障害者施策を牽引してきた経緯からも、都としての考えを示され、足らざる部分は都としておこなって頂きたく強く要望いたします。
    
1 都として従来の「全身性障害者介護人派遣事業」について、障害の重い人たちの社会参加を含む総合的支援施策として再確認したうえで、新たな実施要綱を策定され、市区町村及び関係者に対する周知徹底をはかること。

2 その単価は、障害の重い全身性障害者に対する介護という観点から、身体介護と同程度に設定をすること。

3 必要があれば、身体介護、移動介護などの他のサービスを組み合わせて利用することを可能にすること。

4 介護人の資格要件については、都が「全身性障害者介護人派遣事業」をつくった当初の原点に立ち返り、柔軟な対応をし、そのことが理由で、介護人を推薦できないという事態がおきないようにすること。

5、「全身性障害者介護人派遣事業」のサービスの中に、社会参加の支援という観点から、就学の支援、旅行などを含め社会参加を総合的に支援する内容とすること。
 特にNPO等社会貢献を目的とした市民団体で活動している場合についても従来どおりこのサービスを受けられるようにすること。
 なお、医療類似行為や入院時の派遣についてもこれまでどおり認めること。

6、現在、「全身性障害者介護人派遣事業」のサービスを受けている人の介護サービスについて、2003年4月以降も現状に比べ同程度以上の保障がなされるようにしていき、必要であれば、都として財政支援をおこなうこと。

7、「全身性障害者等介護人派遣事業」の資格要件を満たした自薦介護人の登録に際して、利用者が希望する指定事業者が存在しない場合は、従来どおり、利用者が居住する区市町村に登録を行うことができるようにすること。

2.利用者負担の扶養義務のあり方について
 支援費制度における利用者負担の扶養義務の範囲について、国は9月12日の支援費制度担 当課長会議において、利用者が20歳以上の場合「支給決定の際に、同一世帯・同一生計にあ る配偶者及び子のうち最多納税者」とし、親ときょうだいを外したことは、十分とはいえない が評価することができる。しかし、自立の観点からいえば、扶養義務者から負担を求めること 自体、問題がある。
 本人の収入のみに着目した利用者負担の制度とするよう、都として検討をしていくこと。

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