社会福祉法案に関する国会審議(2000年通常国会衆議院厚生委員会)
【参考人質疑】レジュメ
DPI日本会義障害者権利擁護センター
所長 金 政玉(きむ・ぢょんおく)
■意見(骨子)
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【目的および基本理念について】 |
(社会福祉法第一条、第三条関係)
1 目的では、「福祉サービスの利用者の利益の保護」をうたっているが、福祉サービスの利用者と提供者の対等な関係を明確にすること、サービス利用にあたっての自己選択と決定の原則を規定し、利用者の自立生活の支援を盛り込むことが必要。
2 理念では、「福祉サービスの基本理念」と限定的なものとなっている。
法律名が「社会福祉法」となっている以上は、<社会福祉の基本理念>はどうあるべきか、条文(第三条)を抜本的に見直すこと。
福祉サービスを利用する側の権利を明記することが必要
→憲法十三条(生命、自由及び幸福追及に対する国民の権利)との関連
「その有する能力に応じ自立した日常生活を営む」ではなく「その環境、年齢、及び心身の状況に応じ自立した日常生活を営む」とする。
→国連・障害者の機会均等化に関する基準規則(1993年国連総会採択)との関連
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【支援費支給(代理受領方式)のあり方について】 |
(身体障害者福祉法改正案第十七条の五−8関係/知的障害者福祉法改正案第十五条の六−8関係)
3 「新しい利用制度」の基本方向として「措置から契約方式への転換」が提起されながら、事業者代理受領方式では、利用料が利用者(当事者)本人の手をまったく介在することなく、サービス提供者に支払われることになる。「契約方式」が成り立つ必要な前提条件の整備として、利用者本人が自立生活ができるだけの所得保障の実現の道筋が示されていない。
利用者本人がサービス提供者との間で対等な関係を担保するためには、少なくとも事業者「代理受領方式」の前提条件として「本人の同意」の明記が必要。
所得保障の観点から<ダイレクトペイ>の適切な具体的方法としてバウチャー方式の導入の検討が必要。
障害者のニーズに基づいて公費助成が決定されれば、その金額をチケット(バウチャー)方式で障害者(利用者)本人に渡した上で、それに基づいて自らのニーズにあったサービスを利用できるように、サービスの提供機関を主体的に選び、契約ができる方式とそのための条件整備が求められている。
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【「扶養義務」規定の削除について】 |
(身体障害者福祉法改正案第十七条の四−2−二関係/知的障害者福祉法改正案第十五条の五−2−二関係)
4「個人が尊厳を持ってその人らしい自立した生活が送れる」ように利用者本位の制度としていくためには、利用者負担は本人のみの収入を基準にすることが必要。
これまでの措置制度は、「救貧対策」と「家族への支援」が基本であり、障害者本人への支援という考え方が不明確であり、現状においても成人になった障害者の親などに対して扶養義務を求め、それが障害者自身の自立を大きく阻害する結果をまねいている。→扶養義務者の規定を削除
| 【苦情解決の仕組みについて】 |
(社会福祉法第八十三条〜第八十六条関係)
5 「福祉サービスの利用の援助及び利用者等からの苦情の解決」にあたっては、セルフアドボカシーを基本に、多様なネットワークの連携によるチェック機能の強化と苦情相談や権利侵害に対応する権利擁護システムの整備が急務になっている。
都道府県社会福祉協議会に設置される「運営適正化委員会」による苦情解決の対応は、「事業者段階での解決が困難な事項」となっており、基本は「事業者段階での当事者間での解決」になっている。「第三者立ち会いの下での話し合い」という体制は示されているが、事業者段階で解決できなかった場合に、「福祉サービスを提供した者の同意を得て、苦情の解決のあっせんを行う」(第八十五条)となっているが、第三者機関の役割の確保と明確化という観点から、サービス提供者の「同意を得て」は削除すべき。
都道府県社会福祉協議会の組織構成からみて、施設経営等の事業者会員の割合が高いことから、利益相反の問題が伴うため、第三者機関としての独立性と権限についての明確な担保が必要。
都道府県の条例や要綱に基づく第三者委員会を設置して、勧告等を含む権限を明確に規定することが必要。第三者委員会の構成には、利用者代表と事業者代表の双方を含む方が、かえって公平・公正性の確保が期待できる。→労働委員会との関連
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【指定事業者制度の拡大について】 |
(身体障害者福祉法改正案第十七条の六関係/知的障害者福祉法改正案第十五条の七関係)
6 地方分権の推進・市民参加活動の認知の視点から、「利用者本位の新しい制度」を機能させるためには、障害者特有のニーズに対応した多様な供給主体の参入が必要であり、そのためには市町村指定分を創設し、都道府県が指定する事業者と市区町村が指定する事業者との二種類が明確に制度化されることが必要。
以上
■社会福祉事業法の改正に関する附帯決議(案)
DPI日本会議
(支援費支給制度のあり方について)
1 「新しい利用制度」の基本方向として、利用者本人がサービス提供者との間で対等な関係を担保する観点から、そのための契約関係が成り立つ必要な前提条件の整備が急務となっている。利用者本人が自立生活ができるだけの所得保障の必要性を踏まえ、公費助成のあり方に関して、ダイレクトペイ方式(バウチャー方式の導入)などを含めて検討を行う。
(扶養義務規定の削除について)
2 「個人が尊厳を持ってその人らしい自立した生活が送れる」ように利用者本位の制度としていくためには、利用者負担は本人のみの収入を基準にすることが必要であり、
そのための明確な規定を設けるための検討を早期に行う。
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