■社会福祉事業法の改正に関する修正意見
DPI(障害者インターナショナル)日本会議
*はじめに
○社会福祉基礎構造改革に向けた当初の考え方・理念には、「サービス利用者と提供者の対等な関係」等が掲げられていたが、社会福祉事業法等一部改正案大綱(以下、大綱/昨年4月)から中央社会福祉審議会宛「諮問書」(社会福祉の増進のための関係法律の整備等に関する法律案[仮称]制定要綱/以下、要綱/昨年8月)に至る経過において、趣旨、基本理念における本人(利用者)本位を意味する記述が明らかに削られています。
→「サービス利用者と提供者の対等な関係」(大綱:削除)
→「その人らしい自立した生活」(要綱:削除)など
○本改正案(社会福祉法)は、基本的に「社会福祉サービスの供給体制」を根幹にすえた事業者のための制度改正に収斂されています。
○DPI日本会議としては、障害当事者の立場から、本人(利用者)本位の基礎構造改革の実現に一歩でも近づけていくために、以下、修正意見を提示致します。
※印:重点項目
【社会福祉法】関係
第1条(目的)「福祉サービスの利用者の利益の保護」※
福祉サービスの利用者と提供者の対等な関係を明確にすること。
利用する者の自立生活の支援を盛り込むこと。
第2条(定義)−3−十二(第二種社会福祉事業)
「福祉サービスの利用援助事業(精神上の理由により日常生活を営むのに支障がある者に対して」を「福祉サービスの利用に際し、支援を必要とする者の求めに応じ」
に修正する。
第3条(福祉サービスの基本理念)※
本来的には、社会福祉の(基本理念)として、条文を見直すべき。
「その有する能力に応じ自立した日常生活を営む」ではなく「その環境、年齢、及び心身の状況に応じ自立した日常生活を営む」とする。
第4条(地域福祉の推進)
活動に参加する機会が「与えられる」のではなく、「得られるように」に修正する。
第5条(福祉サービスの提供の原則)※
「意向」の尊重ではなく、当事者の自己選択と自己決定の原則を明確にする。
第6条(福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び地方公共団体の責務)
福祉サービス提供者に対する監督を明記する。
第75条(情報の提供)
当事者の自己選択と自己決定の原則を明確にし、情報提供は義務規定にする。
第76条(利用契約の申し込み時の説明)
利用者が主体的に判断できるよう、支援サービスの適切な説明をすることを盛り込む。
第81条(都道府県社会福祉協議会の行う福祉サービス利用援助事業等)
利用者の人権教育に関する啓発の推進を盛り込む。
第83条(運営適正化委員会)※
名称を「福祉サービス評価・向上委員会」にする。
都道府県社会福祉協議会ではなく、都道府県に置くものとする。
利用者代表で構成される独立した第三者機関とする。
第85条(運営適正化委員会の行う苦情の解決のための相談等)※
「福祉サービスを提供した者の同意を得て」を削除する。
第86条(運営適正化委員会から都道府県知事への通知)※
「通知」ではなく「勧告」とする。
事業者名の公表又は指定事業者の取り消し等必要に応じた適切な勧告ができることを明記する。
第107条(市町村地域福祉計画)※
市町村障害者計画が半数にとどかない策定状況等を踏まえ、市町村の努力義務ではなく、義務規定とし、国は財政支援を行うことを明記する。
計画策定にあたっては、利用者代表の参画できる仕組みを(協議会等の設置)明記する。
【身体障害者福祉法改正】関係
第127条の3(利用の調整等)
当事者の自己選択と自己決定の尊重を明記する。
第17条の4−2−二(居宅生活支援費の支給)※
扶養義務者の負担を削除する。
第17条の5−8(居宅生活支援費の受給の手続き)※
支援費の「事業者代理受領」方式については、利用者と事業者の対等性の確保の観点から、本人の同意、又はバウチャー(金券)方式の導入を明記する。
第17条の10(施設訓練費等支援費の支給)
扶養義務者のの負担を削除する。
【知的障害者福祉法改正】関係
第1条の2(自立への努力及び機会の確保)
参加する機会を「与えられる」のではなく、「得られる」に修正する。
【その他】<市町村特例居宅生活支援事業>[身体]第17条の六、[知的]第15条の7
厚生労働省令(居宅サービス事業者指定)の基準については、実績のある任意団体も市町村判断として認めることを明記する。※
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2000年2月17日
DPI(障害者インターナショナル)日本会議
社会福祉事業法の改正に関する修正の追加事項
●改正案[社会福祉法] ―P.6
(福祉サービスの基本理念) 第三条関係/2行目
「…又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するも のとして、良質かつ適切なものでなければならない。」
→「…又は社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を得ることができるとともに、その環境、年齢及び心身の状況に応じ、地域において必要な福祉サービ スを総合的に提供されることによって自立した日常生活を営むことができるように支 援するものとして、良質かつ適切なものでなければならない。」
※現行法の社会福祉事業法第三条の(基本理念)を参照
要求事項:特例居宅生活支援事業については、市町村指定分を明記すること。
(厚生労働省令との関係)
→身体障害者福祉法改正案(第5条関係)第十七条の六 ―P.74
社会福祉事業法の改正に関する疑問点
● 市町村障害者計画と地域福祉計画との関係はどうなるのか?
● 福祉サービスの提供に要した費用について、事業者が地方公共団体に対して行う請求 事務の代行等にかかわる業務について、その権限と分配の機能を都道府県社協にもたせ ることになるのか?
→[社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案(仮称)制定要綱 P.4]
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