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特定非営利活動法人
DPI日本会議















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第6回DPI世界会議札幌大会報告集 世界の障害者―われら自身の声
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トップページ>活動内容>活動方針と前年度活動報告>2005年度活動報告
2.各事業に関する報告
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1)政策提言活動
○障害者自立支援法への取り組み
2005年度は、「自立支援法」に対する闘いに明け暮れた一年であった。
厚生労働省は、一昨年秋に出された「改革のグランドデザイン案(以下、『グランドデザイン』)」に基づき「自立支援法案」を作成し、2月10日に国会上程を行った。
DPI日本会議は「グランドデザイン」の段階から、「私たち抜きに私たちのことを決めるな!」と提起し続けてきたが、「自立支援法」は障害者運動の20年にわたる歴史の中で厚労省との間でも確認されてきた自立生活・地域生活を大きく揺るがすものであり、以下のような問題点を有していると捉え取り組んできた。
@同法の目的には「障害者の有する能力と適性に応じた自立生活」と規定されており、障害を社会環境との関係でとらえるノーマライゼーションの理念に反し医療モデルとして定義がなされている。
A「障害程度区分と審査会に基づくサービス決定」、「移動介護の個別給付からの原則除外」、「グループホームの障害程度のふるい分けおよびミニ施設化」等は、いずれも自立と社会参加の理念に基づいて進められてきた障害者の地域生活のサービスを大きく後退させるものである。
B福祉サービス・医療の応益負担導入と扶養義務の強化は、これまで行政においても20年以上に渡って確認されてきた「家族からの独立が、自立への第一歩」「必要な人に必要なサービスを」との基本認識を歪めるものである。さらに、国が考える標準的なサービス量までしか市町村に対する国庫負担はなされない。
C「障害種別を超えた総合化」が当初言われたが、「谷間の障害者」の問題は全く解決されていない。
全国大行動実行委員会の仲間とともに、厚労省に対する抗議行動や各政党、議員への働きかけ等、様々な活動を進めてきた。国会で審議がなされる度に、傍聴席には多数の障害者が詰めかけ、国会周辺での座り込みとアピール活動を連日繰り広げた。
「私たち抜きに私たちのことを決めるな」、「このままでは自立ができない」との不安、怒りの声は広がり、各地で地域集会が開催されるとともに、7月5日の国会請願デモには1万1千人が参加する等、かつてない規模の大衆運動が展開された。そのため、国会審議は大幅にずれ込み郵政民営化法案否決による衆議院解散に伴っていったん廃案となった。
しかし、その後の選挙結果を受けて、特別国会に再提出された後、私たちの声を押し切って、10月31日に同法は与党賛成多数で成立することになった。
同法成立後も、「障害者の地域生活をあきらめない」と全国各地で学習会や集会等の取り組みが展開されてきた。そして、政省令並びに各地での自治体への働きかけを進めてきた。特に、政省令に関しては、障害程度区分、重度障害者の長時間介護、移動介護、グループホーム、精神障害者施策、国庫負担等の問題を重点課題として取り組み、今年1月、3月と2回に渡って厚労省交渉・大行動を進めてきた。
またJDFでも、「自立支援法」に関する緊急要望を作成し、昨年12月に厚労省への要請活動を行った。
○所得保障
「自立支援法」の制定に伴い、サービス料の原則1割負担が導入され、多くのサービスを必要とする人であればあるほど負担がかさみ、生活に支障をきたすものとなっている。「自立支援法」の国会審議の課程でも、「応益(定率)負担を導入するならば、その前提として所得保障の充実が図られなければならない」という意見が野党のみならず自民、公明の与党議員からも出されており、「障害者の所得保障に関して所要の措置を講じる」旨の規定が法の附則に盛り込まれることとなった。
しかし、現時点では所得保障に関する政府としての表だった動きはみられていない。
DPI日本会議としては所得保障の充実に向けた取り組みとして、「社会保障・人口問題研究所」が2005年より3年計画で行う「障害者の所得保障と自立支援施策に関する調査研究」に三澤常任委員が研究協力員として参加し、初年度調査(200人の障害者の経済状況調査)に協力した。また、全国社会福祉協議会の加盟団体によって行われる「障害者の所得保障に関する研究委員会」に加盟団体外委員として三澤、中西正司両常任委員が参加し、検討を行うこととした。これらの取り組みの成果が現れるのは次年度(2007)以降になるものと思われる。
一方、長年の懸案であった無年金障害者の救済については、学生無年金訴訟の成果によって、任意加入時に未加入だった学生(約4千人)、専業主婦等(約2万人)の無年金障害者を対象とした「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」(以下、特別障害給付金と略す)が不十分ながらも制定された(2005年4月施行 2006年度の支給額1級49,850円、2級39,880円)。しかし国民年金の国籍条項(1982年に廃止)によって放置された在日外国人無年金障害者(約5千人)等の問題はまったく解決されていない。
国籍の違いによる無年金状態は明らかに国籍差別であり、DPI日本会議としても在日の無年金障害当事者等の仲間と共に、今後も無年金障害者問題に取り組んでいく必要がある。
○障害者差別禁止法
DPI日本会議が事務局を担当している第11回障害者政策研究全国集会(2005年12月)では、差別禁止法作業チームが「第3次要綱案」を資料として掲載した分かりやすい普及用のパンフレットを作成して配布した。作業チームでは、今後、パンフレットを活用し、DPI日本会議の加盟団体等と連携しながら、地方自治体における障害者差別をなくす条例を求める活動に活用されることを期待している。
現在、障害者差別禁止条例にかかわる動向としては、千葉県では県民に向けた差別事例の募集と研究会での討議を経るとともに、タウンミーティングを県内各地で積み重ね、本年2月議会に条例案が提出された。議会では審議不充分として継続審議となり6月議会で改めて審議されることになっているが結果が注目される。
また、宮城県、長野県、山梨県でも条例を制定する動きが継続している。こうした状況を注視しつつ、DPI日本会議としての意見や対案等を提起しながら、各地で条例制定を求める気運をつくり、その流れを2009年の障害者基本法の見直しの際には、差別禁止法の制定に結びつけていくことが重要になっている。
○特別支援教育、学校教育法「改正」にむけて
2006年2月、学校教育法施行規則の一部を改正する省令等に関する意見募集があり、DPI日本会議としてパブリックコメントを提出した。また、2月14日から16日に国会周辺で、これまで障害児の教育運動に取り組んできた諸団体と連携し、今国会で予定されている学校教育法改正審議に対する緊急連続行動に呼びかけを行い共に参加した。
その後、2005年12月に中教審答申「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」が出されたことを踏まえ、本年3月、特別支援教育を重要な論点とする学校教育法「改正」案が国会に上程された。
今回の学校教育法の改正法案では、「特別支援教育」のもとで、これまでの分離教育が一層強化される可能性がある。
DPI日本会議としては、新しく加わった第75条第1項(※)に関連して、障害者の権利条約において明記されているインクルーシブ教育の第一歩として、通常学級で学ぶすべての障害のある児童生徒に必要な支援を行うことを明確にするために、学習環境の整備、個別支援計画の本人・保護者の同意に基づく立案と実施、就学相談および就学指導のあり方の早期見直し等に関する要請を関係議員に行ってきた。
(※)第75条第1項「小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び幼稚園においては、次項各号のいずれかに該当する児童、生徒及び幼児その他教育上特別の支援を必要とする児童、生徒及び幼児に対し、文部科学大臣の定めるところにより障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとする」
○交通アクセスに関する行動
* 交通バリアフリー法見直しに関する行動
2000年に制定された交通バリアフリー法の規定にもとづく見直しが2006年に行われることに備えて、「移動(アクセス)権の保障」検討プロジェクトで、移動に制約を受ける当事者の立場からの意見をまとめる作業を行った。このプロジェクトは2000年の法制定の際に運動側の意見をまとめる作業を行った「市民がつくる政策調査会」に事務局をおき、「移動の権利の保障」、「当事者参画の明確化」など12項目に及ぶ「交通バリアフリー法改正に関する提案」をまとめ、数次にわたって国土交通省との交渉を行った。
法案見直しに関する行動としては「誰もが使える交通機関を求める全国行動」のもとでの、国土交通省の関係部局との交渉をはじめ、自民党、民主党、公明党に対しても申し入れを行った。
また、法案が閣議決定されて以降、3月11〜12日には韓国からペ・ユンホ氏(障害者移動権連帯 共同代表)を講師に招いて交通バリアフリー全国集会を大阪で開催し、総勢350名の参加を得た。4月5日には、上記の政党に共産党、社民党を加えた5政党による政党シンポジウムを開催し、我々の意見を組み込んだ国会審議を行うことを求めた。
* 航空問題に対する取り組み
かねてから課題となっていた障害者の航空機利用に関して、国土交通省の航空事業課との話し合いをおこなった。航空事業課とはまず航空機利用の際のバリアに関してDPI日本会議から、具体的場面でどのような問題があるかについて提起を行い、航空事業課との間の共通認識を持つための話し合いを行った上で、各航空事業者の取り組み状況を確認する作業をおこなった。
DPI日本会議が要求している航空事業課を仲介とした各航空事業者との直接的な話し合いについては、今後の課題として残されている。
2)調査研究活動
○障害者雇用率未達成企業に対する取り組み
DPI日本会議も構成団体となっている「障害者雇用を実現する人権センター」(2004年発足。以下、雇用人権センター)では、2006年2月に社会的影響力の大きい未達成企業に対して、企業が障害者を雇用することができていない原因や、これに対する企業としての悩みやニーズ等、実態把握のためのアンケート調査を行い、その結果をとりまとめた報告書(「企業の障害者雇用率未達成に関する調査報告書」)を作成した。
○障害者の欠格条項をなくす取り組み
旧総理府が1999年に見直しの必要性を認めた欠格条項63制度に関して、2002年度末に一定の見直しが行われたが、DPI日本会議が共に取り組みを続けている「障害者欠格条項をなくす会」(1999年発足)では、その後も継続した取り組みを行っている。
内閣府障害者施策推進本部との協議を続け、22団体の連名により「資格免許試験の実施および教育・就業環境等の整備に関する要望書」(2004年7月)を提出し、2005年6月には、DPI日本会議も出席して内閣府を窓口に関連障害者団体と共に関係省庁との協議を行った。
同年11月には、国土交通省に、知的・精神の障害者の単身入居が認められていなかった公営住宅法施工令改正に関する申し入れを行い、協議の結果、都道府県に向けた通知内容が改善された。2005年3月には内閣府に省庁横断の「資格試験における配慮推進チーム」が設置され、11月に内閣府障害者施策推進本部課長会議決定の文書「資格取得試験等における障害の態様に応じた共通的な配慮について」が出された。
2005年度は全日本ろうあ連盟、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会と合同で運転免許に関するアンケート調査を実施、障害をもつ医療従事者と連携、欠格条項に関する障害当事者からの様々な相談を受け必要な支援を行っている。
3)普及啓発活動
○広報活動
紙媒体としては、年4回発行の機関誌「DPI」(B5版、約60ページ、5000部)と月刊「われら自身の声」(A4判、4ページ、1100部)の2種類を発行した。これらに加え、インターネット媒体と共にそれぞれの役割を分担し、相互補完する体制となっている。2005年度のDPI日本会議の重点的な活動であった「自立支援法」、「障害者の権利条約」、「交通バリアフリー法」関連について機関誌では特集を組み、月刊誌においては時事的な問題を取り上げた。
また、機関誌の販売数が増加したことと、機関誌編集委員会を年4回開催し、編集体制の充実を図ってきたことが2005年度の特筆される動きである。
インターネット媒体としては、これまで運用してきたホームページ(http://www.dpi-japan.org)に加えて、2006年1月からブログ「Vooo !(Voice Of Our Own)」(http://dpi.cocolog-nifty.com/vooo)を立ち上げた。ブログは、ニュース性の高いイベント案内や速報などを中心に掲載している。
また、引き続き、不定期でメールマガジンを発行している。読者数は1700を超えており、障害者運動関連のメールマガジンとしては確認できる限り最も多い読者数を抱えている。
4)権利擁護活動
○DPI障害者権利擁護センターの活動の支援
DPI日本会議は、障害者が差別や人権侵害を受けることのないように、DPI障害者権利擁護センター(以下、権利擁護センター)と緊密な連携を図りつつ、障害者をとりまく状況の変化に対応しながら相談事業を中心に権利擁護活動を行ってきた。
これまでの権利擁護センターの相談活動においては、第三者的立場から当事者側に立って問題解決に取り組んできた。最近は、インターネット経由での相談も増えており、2005年の相談件数は150件を超えているが、差別的扱いを受けている障害当事者と加害者との間で、権利擁護センターが当事者の側に立って間に入り相談対応をした結果、確認書や相手側の謝罪または詫び状等がとれたのは4件にとどまった。
その中で改めて明らかになったことは、差別を受けた障害当事者と加害者との間で話し合いが進み、加害者の反省による合意によって解決できることは極めて少ないということである。
5)団体育成活動
○ブロック化にむけて
DPI北海道に続いて、東京、関西において以下のようなブロック化の動きがあった。
関東では、DPI東京行動委員会が、会員団体との交流やテーマ別学習会を通じて、東京都内のネットワーク化を図るための継続的な活動を行っている。「自立支援法」に対する運動状況を踏まえつつ、2005年7月には総会イベントシンポジウム(テーマ「私たちが求める介助制度」の開催、10月には東京都に対して要望書提出・交渉をおこなった。2006年2月には、TIL(東京都自立生活センター協議会)との共催で「自立支援法」のシンポジウムを行った。
関西では、「自立支援法」に対する全国大行動実行委員会を中心とした運動の中で、障害当事者団体のネットワークが形成されてきた。2006年度のDPI日本会議全国集会大阪大会に関して、関西地域の常任委員や加盟団体を中心とした実行委員会が発足し、大会準備を進めてきた。
○地域団体助成に関する取り組み
2005年度も、「自立支援法」の問題を中心に、多くの地域団体からそれぞれの地元で開催する学習会や集会への講師派遣を行ってきた。こうした取り組みがその地域における「自立支援法」への取り組みのスタートになる等、具体的な動きにもつながっている。
○DPI北海道ブロック会議活動報告
2005年度、DPI北海道は、DPI日本会議及び全国大行動実行委員会の行動方針に基づき昨年度から引き続き地元北海道での取り組みを進めてきた。
具体的には、道内の障害当事者団体及び関連団体との共同行動として自立支援法に関する集会・シンポジウムの開催。デモ、街頭署名の実施。道内の各政党、道と札幌市及び地方4団体(知事会、都道府県議長会を除く)への要望・意見書提出。そして衆議院議員選挙に当たっては、すべての候補者への質問提出と回答内容のホームページ掲載等である。
また、福祉医療機構の助成事業としてDPI北海道内に検討会を設置し、自立生活運動の理念と実践に基づき「障害者の地域生活移行の推進に関する事業」も実施してきた。
併せて10月27日付けで北海道へ54項目。札幌市へは、58項目の障害者施策に関する要望・意見書を提出し北海道からは、12月21日、札幌市からは12月26日に回答を受理した。回答内容については、緊急性を要したSTS(移動・移送サービス*)に関しては、追加の要望・意見書を札幌市に提出したところであるが、現在、回答内容を精査しつつ、今年度の具体的な取り組みを検討中である。
* STS(Special Transport Service)とは、リフトやスロープなどを装備し車いすのまま乗車できる車両を使用して、バスやJR等の公共交通機関の利用が困難な高齢者や障害者といった(移動困難者)の移動支援をおこなうサービスである。これまでNPOやボランティア団体などがドア・ツー・ドアまたはベット・ツー・ベットで移動サービスを提供してきているが、行政からは、「法律上、違法サービスである」と見られる面と「移動困難者への必要なサービス」として認識されるという二面性を持った評価がされてきた。
6)海外協力活動
○世界本部・アジア太平洋ブロック事務局の動向など
2002年の第6回DPI世界会議札幌大会(以下、DPI札幌大会)以降、DPI日本会議からは中西正司常任委員をDPIアジア太平洋ブロック議長・DPI世界財務担当役員として送り出している。
第7回世界会議は2006年に南アフリカ共和国で開かれる予定であったが、開催が困難となり、世界役員による議論等を経て、韓国のソウルで2007年9月に開催することとなった。韓国国内では、韓国DPIがイニシアチブをとって組織委員会を設置する準備を行っており、資金集めが始まっている。
空席になっていた世界本部事務局長には、CCD(カナダ障害者協議会)で国際的な活動に従事していたメアリー・エニスが就任した。CIDA(カナダ国際開発庁)の支援も再開され、財政再建へと動き始めている。
2005年6月9日から12日の日程で第2回北東アジア小ブロック会議を福岡で開催した。中国より中国障害者連合会理事の張宝林氏、韓国より韓国DPI会長のイ・イクソプ氏、モンゴルよりモンゴルDPI議長のサインバヤ・サムジャンクト氏等を招き、交流を深めた。また、韓国からオブザーバーとして16人が参加した。
スマトラ沖大津波、パキスタン大地震と2つの災害が続いてアジアを襲った。DPIアジア太平洋事務局ではILO(国際労働機関)や世界銀行などの支援を得ながら、被災障害者へのピアカウンセリングの実施や復興計画づくりへの参画に取り組んだ。同事務局も、活動が広がるにつれて、財政難に見舞われており、DPI日本会議からも資金援助を行っている。また、加盟団体であるAJU自立の家からは車いすを送る支援がされた。
大地震に見舞われたパキスタンでは、ラホールにあるライフ自立生活センターが、被災地支援と地方都市の自立生活センターづくりに乗り出している。12月には同センター代表のシャフィク・レーマン氏が来日、全国3か所で報告会を行い、また、日本赤十字社などを訪問して被災障害者への支援を訴えた。DPI日本会議では、JILと協力して募金活動を行い、3月10日現在で6,835,691円が寄せられた。同センターの状況を見ながら、現地への送金を行っている。
○国際開発機関との連携
前年度に引き続き、「障害と開発」が開発分野で焦点となった一年であった。
世界銀行からの委託事業は2005年度も引き続き行われた。2005年度はニカラグアとセントルシアの2カ国で「インクルーシブ開発」に向けた調査研究を実施した。セントルシアでは、バリアフリー観光も視野に入れた全島レベルでのバリアフリー調査も実施された。
国内の開発機関も世界銀行に刺激されるように「障害と開発」に取り組み始めている。外務省はFASID(国際開発高等教育機構)に委託して人間の安全保障と障害者支援に関するNGO研究会を行った。DPI日本会議からは三澤常任委員が参加し、山田、中西正司、中西由起子常任委員もそれぞれの団体を代表して参加した。また、JBIC(国際協力銀行)も円借款事業における障害者配慮について、DPI日本会議に調査委託を行った。中西由起子常任委員を中心に過去5年間の円借款事業を精査し、障害者配慮に必要な事項などを提言した。
○障害者の権利条約
障害者の権利条約の策定を進めている国連の特別委員会が6回にわたって開催され、審議が行われた。2005年10月には、これまでの審議の内容を取りまとめた「議長草案」が提案され、2006年1月中旬から3週間にわたって開催された第7回特別委員会では、その「議長草案」に基づいて審議が行なわれた。今後の審議は、本年8月の第8回特別委員会から来年(07年)1月の第9回特別委員会にかけて大詰めの段階にあり、来年は主に細部の条文案の調整と条約の手続規定の整備を行い、秋の国連総会において採択される可能性が強くなっている。
DPI日本会議としては、政府代表団に東常任委員、金常任委員を継続して送り、当事者の視点から積極的にアドバイスを行い、JDF(日本障害フォーラム)の権利条約推進委員会の事務局団体として、政府との意見交換会や特別委員会への日本からのNGO派遣にかかわるコーディネーター等の重要な役割を果たしている。
また、2005年2月には超党派による「国連障害者の権利条約推進議員連盟(以下、議員連盟)」(衆議院議員79名、参議院議員44名の123名の議員が入会)が発足したが、総選挙の結果、議員数が減少した(衆議院議員50名、参議院議員28名の78名)ため、各地で地元選出の議員に「議員連盟」への入会をはたらきかけていくことが必要になっている。
○国内外での研修・協力事業
7月4日から29日まで、JICA委託による研修事業「南部アフリカ地域障害者の地位向上コース」が行われた。2002年度から始まって、4回目となる今回は、初めてアンゴラからの当事者リーダーを迎えた。障害者の政治参加や自立生活運動、精神障害・知的障害をもつ当事者の活動に関する研修や活動計画作りのワークショップを日本で行った後、タイでDPIアジア太平洋事務局のコーディネートのもとで、APCD(アジア太平洋障害者センター)の行った南南協力セミナーへの部分参加など、アジア太平洋地域の当事者運動から多くを学んだ。
DPI日本会議の事務所に、海外からの研修生がいることももはや珍しくない光景である。2005年度は5月にネパールとカンボジア、2006年3月にフィリピンからダスキン研修生を迎えた。
2005年度はパキスタンにおいて自立生活プログラムセミナーをFIDR(国際開発救援財団)の助成を受けて実施した。11月6日〜12日と、2006年1月31日〜2月2日の2回、セミナーを行ったが、事業開始前にパキスタン大地震があったことを受け、地震救援活動の動向を見ながら、参加者などを広く集めてピアカウンセリング講習などを実施した。
2004年度に続き韓国DPI主催の2005年度障害者青年学校事業に対する協力を行った。これは韓国や各国の障害者施策や運動史を学ぶもので、第5期を迎える。2005年7月に三澤常任委員が招請され、日本の障害者の現状などの講演を行い、2005年9月25日から一週間、日本研修の受け入れを行った。総勢13人が来日し、研修内容は主に交通アクセスに焦点を置いたものであった。
2005年10月、ソウルDPI主催「障害者の地域政策立案における障害当事者の力」講演会に平野みどり常任委員を派遣した。
また、下記の通り、加盟団体、関係団体の国際活動に支援・協力した。
* 差別禁止法に関するワークショップ(LADD)
* 津波の被災者支援に続く、アジアの障害者への車いす寄贈(AJU自立の家)
* パキスタンの地震被災者救援活動のための募金運動(JIL)
* 韓国の自立生活センターとの交流や研修(町田ヒューマンネットワーク)
7)その他の事業(収益事業)・点字印刷事業
2005年2月の臨時総会で、その他の事業(収益事業)として、点字印刷事業の追加にともなう定款変更を行い、2005年6月、認証手続きを終了し、2005年9月21日より、DPI日本会議点字印刷事業(点字印刷ビギン)として正式に点字印刷事業を開始した。
定期的な業務としては、障害者情報ネットワーク時代より依頼・注文のある労働組合からの定期刊行物(新聞)の点訳、DPI日本会議機関誌・紙がある。その他、主なものとして、当事者がつくる「障害者差別禁止法(改定版)」(障害者政策研究全国実行委員会・差別禁止法作業チーム作成・第三次要綱案)、企業のCSR(企業の社会的責任)コミュニケーションレポート、海外研修生用資料(英語)、大学の参考書(フランス語文法書等)のテキスト化や点訳、鉄道駅構内手摺り点字の監修、他団体での点字作成の監修、その他会議資料、名刺の点字等を作成してきた。
また、障害者関係のアンケート調査では、調査書の点訳および点字によるアンケート回答用紙の墨字訳も行った。
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3.組織運営に関する報告
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○正会員(加盟団体)状況
2005年度は、地域組織として「愛知県重度障害者団体連絡協議会」(愛知)、「自立生活夢宙センター」(大阪)、「自立生活センターあるる」(大阪)、「関西障害者国際交流協会」(兵庫)、「自立生活センターリングリング」(兵庫)、「障害者自立応援センターYAH!DOみやざき」(宮崎)が新たに加盟した。これにより、全国組織10団体、地域組織46団体となり、加盟団体の合計は、56団体となった。
○定例会議の開催
2005年度は以下のとおり常任委員会および役員会を東京で開催した。
常任委員会 2005年8月、10月、12月、2006年2月、4月
役員会 2005年7月、9月、11月、2006年1月、3月、5月
○組織改編にともなう定款変更
2005年2月に臨時総会を開き、その他の事業(収益事業)として点字印刷事業を追加するという定款変更を行い、認証を得た。2005年9月から、障害者総合情報ネットワーク(ビギン)で実施していた点字印刷事業を引き継ぐ形で、事業展開している(その他事業の報告の項参照)。
○財務報告
DPI札幌大会以降、執行予算は、大幅に拡大されてきている。その要因は、「自立支援法」及び「障害者権利条約」等といった障害者を取りまく様々な国内外の運動課題への対応のためである。こうしたDPI日本会議の活動を積極的に推進するために安定的な財源を確保すること及び障害者施策等の現状と課題を多くの個人、団体へ広報するとともに日本会議の運動の周知等を図ることを目的に賛助会員及び購読会員の拡大に努めた。
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最終更新日2006.7.4
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