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「障害者自立支援法案」の徹底審議と
障害者の地域生活確立を求める緊急アピール(2005.6.12)

 

 昨年10月に「今後の障害者保健福祉施策の方向(改革のグランドデザイン 案)」が示され、わずか3カ月余りの議論の後、今年2月10日「障害者自立支援法案」が国会上程された。
 これまで、「どんなに重度の障害があっても地域で当たり前に暮らせる」ことを目指し、当事者やその支援者による取り組みが進められてきた。自立支援法案は、こうした取り組みの中で築き上げられてきた障害者の地域生活を根幹から揺るがすものである。審査会による支給決定方式でのサービス切り下げ、福祉サービスや医療での負担と扶養義務の強化、移動介護の個別給付からの原則除外、グループホームの障害程度別のふるい分けとミニ施設化、国の基準を超える分は市
町村負担になる国庫負担金の仕組み等、多くの問題をはらんでいる。難病等の「谷間の障害者」の問題も置き去りにされたままである。法案策定に当たり、これによって生活を左右される私たち障害当事者の声はほとんど反映されず、十分な議論も尽くされてこなかった。

 私たちは、全国の仲間に広く呼びかけ、「私たち抜きに、私たちのことを決めるな!」をスローガンに、厚労省や政府、政党などに対する活動を繰り広げてきた。昨年の10月には台風の中のデモ行進、12月には3日間の連続行動、2月の「障害者自立支援法案」国会上程時には徹夜の座り込みを含む2日間連続の全国大行動を行った。一連の行動に、のべ6000人が結集、多くの障害者が異を唱えていることを示し、一方的な法案上程に抗議の声を上げた。さらに、国会での本格審議が始まった5月12日には9000名にものぼる障害者・関係者が集まり、2000名による国会請願が行われた。さらに、5月18日には30都道府県、100ヶ所で全国統一行動が取り組まれてきた。
 5月11日に衆議院厚生労働委員会での審議が始まり、その後13日、18日の審議と、2回の参考人質疑が行われてきた。これまで与野党問わず、批判と疑問を表明する発言が相次いできた。参考人質疑でも各団体から問題点があげられ、委員会内でも問題の多い法案であるとの認識が広がってきている。毎回多くの当事者が傍聴にかけつけ、国会前ではアピールが繰り広げられている。
 こうした動きの中、「5月中に衆議院通過、6月中に参議院通過」と、厚生労働省が当初描いていた日程が崩れ始めている。「郵政民営化」問題とも相まって情勢は混沌としている。何よりも、この法案の持つ問題への理解の広がりから、障害者雇用促進法を先に採決する等、審議がいったん中断した状況にある。
 こうした大幅なずれ込み自体、連日の働きかけ、各地での取り組みによる成果に他ならない。

 今後の展開については予断を許さないが、東京都議会選挙をはさむ6月下旬から7月上旬が大きな山場となろう。
 国会審議中盤を終えたが、未だ重度障害者の長時間介護、移動介護の個別給付、精神障害者の通院公費、グループホームの再編等、地域生活のためのサービスに関して、突っ込んだ論点が形成されていない。今後、与党側から負担の軽減・激変緩和策が打ち出されるとの情報もあり、そのどさくさに紛れて、障害者の地域生活のサービスが置き去りにならないように働きかけをしていく必要がある。さらに、知的、精神の本人当事者、ALSや難病者等の参考人質疑、地方公聴会の
開催を求めていかなければならない。
 私たちは、障害者の自立生活運動を進めてきた立場から、この法案がこのまま決められることを認めるわけにはいかない。引き続き、徹底審議と地域生活の確立を強く求めるものである。
「私たち抜きに、私たちのことを決めるな!」との、われら自身の声をより力強いものにしていこう!

2005年6月11日
DPI日本会議・2005年度総会 参加者一同

 

 

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最終更新 2004.12.1