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第6回DPI世界会議札幌大会報告集 世界の障害者―われら自身の声

トップページ活動内容活動方針と前年度活動報告200 4年度活動報告

2.各事業に関する報告

 
1)政策提言活動 
○支援費・改革のグランドデザイン案・障害者自立支援法案
 2004年度は、障害者施策をめぐる激動の一年間であった。
 厚生労働省は1月に「介護制度改革本部」を立ち上げ、支援費と「介護保険との統合論」、「介護保険の活用論」、「介護保険における被保険者の拡大論」と、3カ月単位で様々な動きを打ち出してきた。しかし、いずれも、財源論先行の拙速なものであり、「利用者の自己決定の尊重」を掲げた支援費制度の根本的な変更−介護保険への吸収合併につながるものであることには変わりはなかった。
 これに対して、私たちは他の障害当事者団体とともに全国の仲間に呼びかけて、「全国大行動実行委員会」を立ち上げ、様々な活動を行ってきた。社会保障審議会・障害者部会で「介護保険活用案」が出された6月には、最初の全国大行動を呼びかけ、1200名の参加のもと「介護保険も一般財源化も反対」「地域生活の確立を」の意志を社会に示した。この全国大行動は、身体、知的、精神、難病といった障害種別を超えた仲間の連帯と、全国−各地域を結ぶ連携を強めるものであった。
 「介護保険の被保険者拡大」について、10月の障害者部会に突如、「今後の障害者保健福祉施策の方向(改革のグランドデザイン案)」として出された。このグランドデザインは障害者施策全般に渡る見直しであり、障害当事者運動が長年の歴史の中でつくりあげてきた自立と社会参加、地域生活を根本から揺るがす問題を持っていた。そうしたことから、「私たち抜きに私たちのことを決めるな!」をスローガンに掲げて、10月に再度の全国大行動を開催し、台風による大雨にも関わらず全国から2000名の仲間が集まった。その後も、障害者部会が開催される度に、厚生労働省前でのビラまき、アピール等を連続して行った。
 だが、厚生労働省は障害者部会での疑問や異論に誠実に応えることなくグランドデザインに基づく「自立支援法案」を作成し、私たちの抗議の声を無視して2月10日に国会上程を行った。
 「自立支援法案」の目的には、「その有する能力と適正に応じた生活」との記述がなされており、障害を社会環境との関係でとらえるノーマライゼーションの理念に反するものである。また、「市町村認定審査会によるサービス決定・長時間ケースの審査」、「個別給付としての移動介護の原則廃止」、「グループホームの障害程度のふるい分けおよびミニ施設化」等は、いずれも自立と社会参加の理念に基づいて進められてきた障害者の地域生活のサービスを大きく後退させるものである。「応益負担の導入」と「精神障害者通院公費助成等の見直し」による負担と「扶養義務の実質強化」は、これまで確認されてきた「家族からの独立が、自立への第一歩」「必要な人に必要なサービスを」との基本認識、歴史を歪めるものである。さらに、国の定める標準的なサービス量までしか市町村に対する補助はなされず、上限が設けられることになる。そして、「障害種別を超えた総合化」が当初言われたが、難病・てんかん・自閉症等の「谷間の障害者」の問題は全く解決されていない。
 この「自立支援法」の国会上程に対しては、座り込みを含む抗議行動を2000名の参加のもと2月15〜16日に実施した。併せて政党懇談会を16日に開催し、各政党に対して問題提起も行ってきた。さらに、全国各地で地域集会やシンポジウムを開催するとともに、地元議員や自治体への働きかけも進められてきた。
 そして、2003年のヘルパー上限問題以来、協議と共通課題への取り組みを積み重ねてきた障害者8団体(注)も、地域生活に関わる5つの課題(負担見直し、審査会と国庫補助、精神障害者通院公費、移動介護、グループホーム)を統一要望としてまとめて政党や厚労省に対して働きかけてきている。
(注)障害者8団体 DPI日本会議以外の団体は次の通り。日本身体障害者団体連合会、日本障害者協議会、日本盲人会連合、全日本ろうあ連盟、全国脊髄損傷者連合会、全日本手をつなぐ育成会、全国精神障害者家族会連合会 

○障害者差別禁止法
 2001年8月、障害者政策研究全国実行委員会に「障害者差別禁止法」作業チーム(以下、作業チーム)が設置されて以降、DPI日本会議は、作業チームを通じて障害者差別禁止法の「要綱案」作成の作業に取り組んできた。「要綱案」は、2002年10月の「DPI札幌大会」に合わせて「当事者がつくる障害者差別禁止法―保護から権利へ」(現代書館)の出版という形で発表している。
 2004年度は、要綱案発表後続けている、障害当事者団体をはじめとする団体・個人との意見交換から見直し作業を引き続き行い、第3次要綱案を第10回障害者政策研究全国集会で発表した(2004年12月)。
 現在、宮城県、千葉県において検討作業が進められている障害者差別禁止条例にかかわる動向が注目を集めている。宮城県では、2005年初めの県議会に向けて条例案を提出する予定になっていたが、障害者団体との議論と合意が不十分だったことから、当面は延期になっている。千葉県では県が行った差別事例の募集で集まったデータをもとに、条例を検討する委員会で作業を行うことになっている。こうした状況を注視しつつ、DPI日本会議としての意見や対案等を提起することが重要になっている。

○発達障害者支援法、特別支援教育について
 障害をもつ子どもの教育に関して2004年度の特筆すべき動きとしては、これまで障害に含まれなかった学習障害や高機能自閉症などをもつ子どもたちへの支援や教育のあり方が議論されたことである。
 2004年12月に発達障害者支援法が成立したが、法案の内容が明らかになった時点で、DPI日本会議としての見解を表明した。ここでは、発達障害の定義が医療モデルにとどまっており、警察と連携して障害者を管理すること等についての問題点を指摘した(警察との連携については修正された)。この「見解」を各政党に提出し、その後各政党からヒアリングを受けた。
 2004年12月、中央教育審議会特別支援教育特別委員会がまとめた「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」に対しては、文部科学省によるパブリックコメントの募集の際に、DPI日本会議としての意見を提出した。この意見では、特別支援教育となっても、障害をもつ子ども(学習障害等も含め)の教育は分離・別学を原則としており、基本的なシステムは変わらないこと等の問題点を指摘した。
 この他、8月と10月に行われた「教育の欠格条項をなくす会準備会」による文部科学省交渉に参加し、障害をもつ子どもの教育システムは原則統合とするべきであることを訴えた。

○交通バリアフリー法の見直しについて
 2000年11月に交通バリアフリー法が制定されてから5年の歳月が経過しようとしている。交通バリアフリー法では、法律施行後5年経過したところで、その達成状況について検討を加え、必要な措置を講ずることとされており、2005年度はその見直しを実施すべき時期となっている。
 こうした状況に対応することを目的にDPI日本会議としては、今福常任委員(交通担当)を中心に法改正に備えるために法の成果と残された課題を洗い出し、改正に向けた政策提起をするためのプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトでは、法理念に「移動の権利」を明記することを求めることをはじめとする10項目以上の改正意見を第1次修正提起としてとりまとめ、国土交通省をはじめとする関係機関との話し合いに入った。
 また、国土交通省が2004年10月から開始した「ユニバーサルデザインの考え方に基づくバリアフリーのあり方を考える懇談会」にはDPI日本会議からは尾上事務局長が参加し、当事者の立場からの意見提起を積極的に行った。
   
2)調査研究活動 
○障害者雇用率未達成企業に対するアンケート調査について
 DPI日本会議のメンバーが原告となって取り組んだ法定雇用率未達成企業名の開示請求訴訟の成果を踏まえて、東京では障害者雇用を進展させていくことを目的に障害当事者、地域就労支援センターの関係者、弁護士、市民が集まって「障害者雇用を実現する人権センター」が発足した。雇用人権センターでは、社会的影響力の大きい未達成企業に対して「質問票」を提出し、企業が障害者を雇用することができていない原因や、これに対する企業としての悩みやニーズ等、実態把握のためのアンケート調査を行った。7月頃には集計した結果を検討し、課題や提言を盛り込んだ報告書を作成して回答企業就労支援機関、行政等の関係方面に公表する予定になっている。
 DPI日本会議としては、調査活動の中から明らかになってきた課題に対し当事者運動の立場から関係団体、個人と連携していき、障害者の雇用問題への取り組みを強めていきたい。

○障害を持つドメスティック・バイオレンス(DV)被害者に関する調査
 2004年5月、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)」が改正され、障害をもつ被害者に対する配慮も含まれた(施行は同年11月)。ここでいうDVとは、配偶者やパートナーから暴力を受けることをさす。法改正をきっかけとして、2004年度は東京自治研究センターが行っているDV・児童虐待防止に関する調査研究における、障害をもつDV被害者の実態調査(インタビュー調査)の準備および実施に協力した。
 DPI日本会議としても独自に、機関誌を通して簡単なDVに関するアンケート調査を行った。回答ではDVの実体験も寄せられたが、DVだけではなく、虐待を訴える内容もあった。暴力と障害者については、障害者虐待防止法制定の話がにわかに持ち上がっている。障害者に対する暴力や虐待は範囲が広く、内容も多岐に渡っており、課題等の整理をしなければならない。また、既存の児童虐待防止法やDV防止法との関係の整理も必要であり、こうした動きを見落とさずに取り組みなければならない。障害者とDVに関しては、今回のアンケート調査結果を、改正されたDV防止法の運用を所管する婦人相談所への働きかけや、障害当事者への情報提供に活用していきたい。

3)普及啓発活動 
○広報活動
 2004年度より、広報体系を以下の方法により実施し、それぞれを補完的に活用し、重点活動となった「支援費と介護保険の統合問題」から「グランドデザイン」、「自立支援法案」、「障害者権利条約」に関する動きなどに関する情報提供を積極的におこなった。紙媒体の機関誌発行とともに、インターネットの情報発信ツールとしての役割は年々大きくなっている。 
 ○紙媒体
  ・季刊「DPI−われら自身の声」Vol.20-1〜4 B5版、60頁、3,500部
  ・月刊「われら自身の声」2004.4〜2005.3月号 A4版、4頁、1,100部
 ○インターネット媒体
  ・ホームページ(URL:www.dpi-japan.org)毎週更新、週平均アクセス数1,000件
  ・Eメールによるメールマガジン配信 登録数約1,600件
 
4)権利擁護活動 
○DPI障害者権利擁護センターの活動の支援
 DPI障害者権利擁護センター(以下、権利擁護センター)は、1995年に東京都地域福祉振興財団の助成団体として認められた。DPI日本会議は、障害者が差別や人権侵害を受けることのないように、権利擁護センターと緊密な連携を図りつつ、障害者をとりまく状況の変化に対応しながら相談事業を中心に権利擁護活動を行ってきた。
 これまでの相談活動において、現状の制度の谷間に放置されている障害者の課題が明らかになってきた。とくに、本人自身が家族を含む相手とのコミュニケーション等の障害により、生活設計にかかわる財産管理や様々な問題に対応できない状況にもかかわらず、成年後見制度や地域福祉権利擁護事業の対象から除外されている現状は深刻な状況になっている。
 今後は、こうした支援が必要な障害者を含めて、権利擁護の視点から生活支援ができる体制の確立や連携に向けた検討が必要になっている。

5)団体育成活動 
○ブロック化にむけて
 北海道ブロックに続いて、東京、関西において以下のようなブロック化の動きがあった。
 関東では、DPI東京行動委員会が、2004年6月に総会を行い「今後の活動方針」として、「定期的にDPI東京行動委員会を開催し、各団体の取組みについての情報を交換し、必要があれば、共同して取り組んでいく」ことを確認した。その後は、東京における就労支援、東京都の施策の動向、自立支援法案に関する学習会等、課題別学習・交流会を隔月のペースで行い、都内の地域のCIL、当事者グループ、障害学生支援団体等の関係者が常時20〜30人参加している。
 関西では、昨年の三重総会における確認に基づいて、ブロック化の動きを開始した。第1回目の準備会は9月に大阪で開催され、滋賀、京都、奈良、兵庫、大阪にある団体とこの地域選出の常任委員が参加し、各団体の活動状況の報告や今後のDPI運動のあり方について意見交換をした後、今後の役割分担を決めた。自立支援法をめぐる取組みが一段落したあとに、より多くの仲間たちにも呼びかけ、DPI関西ブロック会議結成への取組みを進めていく予定である。

○地域団体助成に関する取り組み
 2004年度は、グランドデザイン案や自立支援法の動きもあり、加盟団体のみならず、多くの地域団体からそれぞれの地元で開催する学習会や集会への講師派遣の要請があった。障害当事者運動の強化と日本会議の加盟団体の増大をめざすために引き続き講師としてDPI日本会議の常任委員を派遣する等の支援を行っていく。特に加盟団体の不在地域や地方ブロック化につながる可能性のある地域の集会等への取り組みを、強化していく。

○北海道ブロック活動報告
 2004年度、DPI北海道ブロックは、継続した地域課題として北海道が進めた「重度心身障害者医療費給付事業」見直しに対する取り組みを道内の広範な福祉関係団体とともに推進してきた。
 残念ながら見直し案(住民税課税世帯の1割負担)の撤回を図ることはできなかったが事業見直しに伴うフォローアップ事業として障害者福祉事業の創設と拡充、そして、それらに障害当事者が関与することができたことは、運動としての大きな成果であった。
 また、グランドデザイン案に対しては、全国行動の趣旨と取り組みに基づき、北海道及び札幌市への要望書の提出や道内選出の国会議員、厚生労働省及び地元の障害当事者によるシンポジウムを2月20日に緊急開催するなど全国と連携した運動を進めることができた。
 地域ブロック会議の設立は、DPI運動を全国各地における草の根の障害当事者運動を推進する有効な手法である。そして、その原点は、各地域における障害当事者の課題に対する取り組みであり、全国的な課題については、日本会議を中心とした全国の障害当事者運動との連帯に基づく各地域での取り組みの推進である。
 北海道に続き、東京、関西、九州といった地域での地域ブロック会議設立に期待したい。

6)海外協力活動 
○世界評議会、ブロック評議会などの世界レベルの活動への参加
 DPI日本会議は2002年以来、中西正司常任委員を世界財務役員そしてアジア太平洋ブロック議長として、世界に送りだしている。
 DPIは、2004年9月に次回世界会議までの中間年イベントとなる、「DPI世界サミット」を世界本部のあるカナダ・ウィニペグ市で開催し、1000名近い参加者を世界中から集めた。あわせて、世界評議会が開かれ、財政状況の改善や各委員会の活発な活動などが報告された。日本からは「サミット」参加のためのツアーを組織するなど、全部で40名近い参加者を送り込んだ。
 また、アジア太平洋ブロックをはじめ、アフリカ及び北米カリブの各ブロック会議においてはホームページが立ち上がり、DPI世界の各ブロック会議からの情報発信力が高まっている。DPI世界本部の発行するメールマガジンも毎週世界のニュースを届けている。
 2006年の「第7回DPI世界会議南アフリカ大会」の準備は、日程(12月上旬)や開催地(ヨハネスブルグ)などがおおむね合意され、現地組織委員会と世界役員で作る国際組織委員会が定期的に電話会議を持ちながら準備を進める体制が整った。
 アジア太平洋ブロックは、ESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)やJICA(国際協力機構)などの会議を中心に積極的に出席、意見提起をし、当事者組織としての役割を果たした。また、2005年3月にはベトナムで開催された能力構築のためのセミナーへは講師を送った。
 昨年の12月末に起きたスマトラ沖地震被害の後、DPIアジア太平洋ブロックでは情報収集やタイでの復興活動への参画をしてきた。DPI日本会議はそのため、被災地へ車いすを送る支援活動を始めた。

○障害者権利条約
 障害者権利条約の策定を進めている国連の特別委員会では、各国政府・NGOが参加して、前文と25の条文及び「国際協力」に関する付属文書を含む「作業部会草案」(2004年1月)をもとに、第3回特別委員会(同年6月)、第4回特別委員会(同年8月)及び第5回特別委員会(05年1月)において、第1条〜第15条に関する協議が行われている。<参照>。
 DPI日本会議としては、政府代表団に東常任委員(条約担当)、金常任委員を送り、当事者の視点から積極的にアドバイスを行っている。
 また、2005年2月には超党派による「国連障害者の権利条約推進議員連盟(以下、議員連盟)」(衆議院議員79名、参議院議員44名の123名の議員が入会)が発足した。
 今後は、JDFに設置されている「障害者の権利条約推進に関する専門委員会(事務局担当:DPI日本会議)」の役割として、条約の策定作業を通じて特別委員会で合意された条文案の内容を情報提供し、それが国内の障害者関係の法律とどのように関連しているのか、またその論点は何か等について「議員連盟」や関係省庁等に対して積極的に提起して共通認識をつくっていくことが重要になっている。
<注>前文、第1条〔目的〕、第2条〔一般的原則〕、第3条〔定義〕、第4条〔一般的義務〕、第5条〔障害のある人への肯定的態度〕、第6条〔統計及びデータ収集〕、第7条〔平等及び非差別〕、第8条〔生命に対する権利〕、第9条〔法律の前の平等の承認〕、第10条〔身体の自由及び安全〕、第11条〔拷問又は刑罰からの自由〕、第12条〔暴力及び虐待からの自由〕、第13条〔表現及び意見の自由、情報を利用する機会〕、第14条〔私生活、住居及び家族の尊重〕第15条〔地域社会における自立生活〕 

○研修事業
 2004年度は、4月にバングラデシュDPIから、12月には台湾とベトナムから来日しているダスキン奨学生の研修を受け入れた。日常業務を共に行う他、他団体との協力活動に参加したり、当事者による講義を行った。
 7月28日から8月21日(最後の1週間はDPIアジア太平洋ブロック事務所に委託)まで、JICA主催の「第3回南部アフリカ地域障害者の地位向上」研修を実施した。研修生は、南部アフリカ地域10カ国のうちアンゴラを除く9カ国から10名の障害当事者で、男性6名女性4名であった。この地域における障害当事者のリーダーを育成し、エンパワーする目的の下、障害者運動の第一線で活躍する当事者を講師に迎えた講義や、当事者組織への訪問等、内容的に高度な研修を行い、また、当事者間の情報交換や交流の機会も持った。
 2002年度からスタートした世界銀行の「インクルーシブ開発」、「インクルーシブ教育」に関するトレーニング、調査研究事業も回を重ね、次第に中南米全体での理念の普及から各国内での具体的なコンサルティングへと、事業の内容も深化している。2004年度は、5月にニカラグアで中南米地域全体の障害者リーダーを集め、インクルーシブ開発に関するトレーニングを実施した。10月にはメキシコでメキシコ教育省をカウンターパートにインクルーシブ教育に関するトレーニングと調査研究を行った。
 また、2003年度に続き、韓国DPI主催の2004年度障害者青年学校事業に対する協力を行った。これは韓国の障害当事者が韓国及び他国の障害者施策や運動史を学ぶもので、第4期を迎える。2004年7月にはその一環として三澤議長が招請され、日本の障害者の現状などの講演を行った。その後、2004年10月18日から22日までDPI日本会議が研修生6名のほか、関係者、介助者など総勢11人を受け入れ、「DPI運動と自立生活」をテーマとして日本での研修を実施した。
 

 


3.組織運営に関する報告

○正会員(加盟団体)状況 
 2004年度は、地域組織として「愛知重度障害者団体連絡会(愛知)」「自立生活センタースクラム(大阪)」「自立生活センターいるか(沖縄)」「多摩療護園自治会(東京)」「難病をもつ人の地域自立生活の確立を求める会(東京)」が加盟した。これにより、全国組織10団体、地域組織42団体となり、加盟団体の合計は、52団体となった。

○定例会議の開催 
 2004年度は以下のとおり常任委員会および役員会を開催した。
常任委員会 2004年8月、10月、12月、2005年2月、4月(福岡。4月以外は東京)
役員会   2004年7月、9月、11月、2005年1月、3月、5月(いずれも東京)

○組織改編にともなう定款変更 
 2003年度に障害者総合情報ネットワーク(ビギン)との組織統合したことを受け、現在ビギンで実施していた点字印刷事業を日本会議において実施するための準備を進めている。この準備の1つとして、2004年度は、2005年2月に臨時総会を開き、その他の事業(収益事業)として点字印刷事業を追加するという定款変更を行った(現在認証手続き中)。

○財務報告
 DPI札幌大会以降、執行予算は、大幅に拡大され「自立支援法案」及び「障害者権利条約制定」などといった様々な国内外の運動課題への対応からも、こうした状況は、今後も続くと思われる。
 こうした財政状況の緩和を図るために2004年度から常任委員会と役員会は、「定例会議の開催」での報告のとおり、原則として東京開催として支出予算の抑制に努めた。
 障害者を取り巻く状況は、これまでの活動報告のとおり、国内外を問わず大きな激動の時代を迎えている。
 こうした中で、障害当事者運動の果たす役割は重要であり、その中で、日本会議の責務は、益々、重くなっている。私たちは、こうした障害当事者団体としての責務を果たすための活動を推進できる財政基盤の整備を進めなければならない。

 

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最終更新日2005.8.10