| ■1)障害者に関わる調査研究事業 |
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○ 雇用問題
2004年2月、厚生労働省内において「障害者の就労支援に関する省内検討会議」が設置され、来年の法改正に向けた検討が行われている。検討項目の柱として「雇用支援策の強化」「働く場の拡大」「福祉的就労から一般就労への移行の促進」が上げられ、具体的検討事項としては、@職種による除外率の縮小、A精神障害者への法定雇用率の適用、B保護雇用等が予定されている。
DPI日本会議としては、障害者差別禁止法との関連を踏まえ雇用の場における障害者の人権の擁護の視点から、障害者雇用促進法において、差別禁止規定を盛り込むことの検討、人権侵害に関する相談、調査、改善勧告・命令等を可能とする権利擁護の仕組みの創設を提起していく必要がある。
また、2003年の東京労働局管轄の雇用率未達成企業名等の公表を契機にして発足した「障害者雇用を実現する人権センター」とも協力し、社会的影響力の大きい企業に対し、障害者雇用ができない原因はどこにあるのか、今後の取組みなどについて質問票を提出し、実態把握を行い、必要のある企業に対しては個別協議を行う。
障害者雇用の実現は、障害者が必要なサポートを受けて自立して生きていくために欠かすことのできない課題の一つである。こうした取組みが、厚生労働省の障害者雇用に関する政策を押し上げ、企業が自主的に社会的責任を明確にすることによって当事者のニーズへの適切な配慮を行う状況を作り出すこと。そのことを通じて障害者差別禁止法の必要性に対する社会の理解を広げていく契機にしていくことが重要である。。
○ 交通アクセスー交通バリアフリー法の見直しに向けた取り組み
交通環境整備に関しては、2000年の交通バリアフリー法制定以降、大都市部を中心に駅のエレベーター整備やノンステップ・バスの普及など、目に見える変化が表れている。交通バリアフリー法ではこうした実績をもとに5年ごとに交通バリアフリー法の見直しを行うこととなっている。
2005年度に予定されている見直し作業に的確に対応していくために、プロジェクト・チームをつくり、交通バリアフリー法の対象範囲の拡大や権利性を明確にさせていくことをめざして当事者としての意見提起を活発に行っていく。
○ 住宅保障−公営住宅に関する法改正へ向けた取り組み
住居地の確保に関しては、障害者の地域生活支援の重要な課題としての認識が厚労省等の行政にもようやく生まれ始めている。公営住宅をすべての障害者が有効に利用していくために、車いす使用者も快適に暮らすことのできる環境整備を求めていくと同時に、精神障害者、知的障害者の単独入居を排除している現行の法規定の改正を早急に図らせていく。「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に盛り込まれている保証人制度をはじめとする諸規定は障害者にとっても有効なものが多いということがあり、この法律の対象に障害者を含めていくことを求めていく。
○ 障害を持つ女性(人)とDV(暴力)に関する取り組み
2003年度は、DV防止法の改正に向け、他の団体と協力し、改正案に外国人女性と共に「障害を持つ女性への配慮」を盛り込むことができた。実際の改正の有無に関わらず、障害当事者および関係者への啓発が必要と考え、2004年度は、実態調査を含め、児童虐待、高齢者虐待に関する動きにも注視し、障害と持つ人、特に女性と暴力に関する取り組みを行っていく。
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| ■2)障害者に関わる普及啓発事業 |
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○ 広報体制の充実
機関誌発行−季刊「SSK DPI われら自身の声」、月刊「SSKSわれら自身の声」)、メールマガジン、ホームページ
DPI日本会議には国の内外を問わず障害者に関する多くの情報が寄せられてくる。DPI日本会議が発する情報に対するニードは高まっている。DPI日本会議が発信する情報の信頼性をより高いものにしていくために機関誌、ホームページの内容を豊かなものにしていく努力を継続する。さらに2004年度からは、旧障害者総合情報ネットワークの情報誌「月刊ビギン(MB)」を引き継ぎ、情報の即時性、的確性を重視した「月刊 われら自身の声」を発行していく。 |
| ■3)障害者の権利擁護に関わる事業 |
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○ DPI障害者権利擁護センターの活動の支援−権利擁護センター事業の制度化の途を探る
障害者の権利の確立と権利擁護はDPI日本会議にとってもっとも基本的なものであり、活動のすべてがそこにつながるものである。権利侵害や差別的扱いに関する相談等はDPI障害者権利擁護センターが具体的に対応しており、DPI日本会議としてはDPI障害者権利擁護センターの活動を全面的に支援していく。さらに権利侵害や差別的扱いからの救済を求める声に具体的に対応する権利擁護活動を制度として確立させる道筋を探っていく。
現在、別組織となっている日本会議と権利擁護センターの一体化を検討する。
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| ■4)障害者団体育成活動 |
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○ 東京・関西のブロック化に向けた取り組み
2003年10月の北海道ブロックの結成に続き、東京・関西地域のブロック化を追求していく。地域ブロック化を促進していくためにもDPI全国行動委員会の活動を引き継ぎ、様々な機会をとらえて地域集会の開催を図っていく。
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| ■5)海外の障害者に関わる協力等の事業 |
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○ 世界本部の動向・アジア・太平洋ブロックの動向
引き続き2004年度も、DPI日本会議からは中西正司常任委員をアジア太平洋ブロック議長及び世界財務担当役員として送り出し、世界のDPI運動発展のために貢献していく。
アジア太平洋ブロックにおいては、ESCAPのTWGDC(障害問題作業部会)での副議長と3分科会の代表にDPIのメンバーが新任し、国際機関との連携が一段と強まっている。その他、APDF(アジア太平洋障害フォーラム)の副議長にも、DPIアジア太平洋ブロック議長が就任した。2004年10月に開所するAPCD(アジア太平洋障害者開発センター)では、建物としてのセンターが開所する前からすでにスタートしている自立生活、自助団体、CBR、権利擁護、アクセスなどのプロジェクトにおいても、DPIのメンバーがの中心的役割を果たしてきている。開所後もさらにDPIの貢献が期待されている。このようにDPIのメンバー抜きでアジアの障害者運動は語れない状況が生まれてきている。
世界銀行、米州開発銀行とはプロジェクトレベルでのつながりが始まっており、今後アジアでの成功例を世界の他の地域で参考にしてもらうことが多くなると思われる。特に重度障害者を対象にし、軽度障害者を運動に巻き込んでいきながら、政府の政策を動かしつつある自立生活運動は韓国、タイ、パキスタンで成功を収めており、今後のDPIの活動の中でも柱の一つとして継続して推進していきたい。
○ 研修事業
研修活動は、ここ数年の海外との密な交流が反映されて、受け入れ人数・期間・内容のいずれも多くなってきている。4月にダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業の研修生(バングラデシュ)が1ヶ月の間、事務局で政府との交渉や他団体とのネットワーク作り、プロジェクトの立案などのトレーニングを行なう。また、7月から8月にかけて、3年目となるJICA南部アフリカ障害者地位向上コースを日本及びタイで実施し、南部アフリカ地域10カ国9名の障害者リーダーに研修を行う。同月には、韓国DPIが実施する「障害者青年学校」の合宿に2003年度に引き続き講師を派遣する。
世界銀行から受託している、一連の中南米地域でのインクルーシブ教育の普及事業だが、本年度はコンサルタントの育成をブラジル及びニカラグアで実施する。また、中米地域の教育関係者・行政担当者などを中心に年内にメキシコでセミナーを開催する。これは、2003年3月のブラジル、2004年3月のアルゼンチンに続き、3度目のセミナーとなる。DPI日本会議では、ニカラグアとメキシコに人員を派遣し、セミナー開催の支援を行なう。
○ DPI世界サミット
DPI世界サミットは、2004年9月8日〜10日の3日間にわたって、世界本部のあるカナダ・ウィニペグ市のコンベンションセンターで行なわれる。テーマは第6回世界会議のテーマにも使われた「多様性diversity」を用い、「われわれの中にある多様性Diversity
within」となっている。人権・自己決定する生活・生命倫理・教育・参加・アクセス・国際的な開発・知識の共有・地域における能力の構築などの内容で30ほどの分科会が予定されている。
DPI日本会議ではこの世界サミットに向けて、30名程度の規模の参加を想定し、ツアーを実施する。
○ その他のアジアでの取り組み
JICAによる能力開発セミナー(CBS)は、2004年度には12月中旬にベトナムでの開催を予定している。アジア太平洋地域でのDPI組織の開発と人材育成に貢献している同事業に対しては、DPIアジア太平洋ブロック事務局が貢献してきているが、DPI日本会議としても講師派遣など技術的な支援を行なっていく。
アメリカにあるNGOのCIR(国際リハビリテーションセンター)とDPI世界本部が共同で実施しているIDRM(国際的な障害者の権利に関する監視)プロジェクトは、2年目を迎え、アジア地域でのパイロットプロジェクトに着手することになっている。日本も対象国に選ばれており、調査員として東京ハンディキャブ連絡会代表で、ヒューマンケア協会に所属する阿部司氏が選ばれている。阿部氏を中心として事務局も支える中で、調査活動を実施していきたい。
2003年度にアフガニスタンに車いすなどを贈呈したアフガニスタン障害者支援プロジェクトだが、今後は、DPIアジア太平洋ブロック事務局とも連携をしながら、必要性の高い地域に効果的な支援ができるよう情報収集などの体制を整えていく。それに伴い、プロジェクトもアジア障害者支援プロジェクトに名称を変更する。 |