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■ 重点課題 <国内課題>


地域生活支援(介助保障等)

 

施設中心のサービス・財政構造からの脱却・転換を
 昨年4月に導入されたばかりの支援費制度は初年度から「財源不足」の事態が生じてきた。そうした中、昨年末から、「介護保険との統合問題」に向けた動きが急になってきた。言うまでもなく、単に財源的な観点からの議論は「障害者施策の介護保険への吸収合併」につながる道であり、障害者施策の発展に寄与することはない。これまでの自立と社会参加を求めてきた障害者運動の歴史、そして、障害者施策の課題をふまえた上での検討がなされなければならない。
 初年度から財源不足に陥ったこと等を理由に、支援費制度そのものに欠陥があるかのような捉え方が散見されるが、支援費制度が目指した理念やねらい、もたらした変化に対して、利用している障害者からは評価されていることをしっかりと押さえておく必要がある。
 支援費制度以前は、ホームヘルプの国の補助金は3割くらい余って推移してきたと言われる。ところが、支援費制度になって、余るどころか一挙に不足する事態になった。サービス利用の拡大自体は支援費制度の狙いである「自己決定の尊重」「選択ができる制度」、そして、「地域生活の推進」という趣旨にそった結果である。
 むしろ、問題にされるべきは、日本の障害者政策の理念と、サービス・財源の実態との矛盾である。日本では、1981年の国際障害者年以降は、障害者施策の理念としてのノーマライゼーションが掲げられてきた。しかし、実態としての施設中心の施策(含む財源)は相変わらず続いてきた。その矛盾を、支援費制度は照らし出したというべきであろう。
 脱施設・地域生活が本当に実現するようなサービス・財政構造への転換が押し進められなければならない。さらに言えば、障害者運動がこれまで提起してきた、障害者差別禁止法、障害者総合福祉法、扶養義務の見直し、所得保障の確立、障害者プランの拡充と言った基本課題への取り組みを進めていかなければならない。

「三位一体改革」議論と無展望な障害者サービスの一般財源化
 経過報告でも記した通り、1月から2カ月半に及ぶ障害者8団体と厚労省の話合いが続けられてきたが、4月1日で小休止となった。今後、社会保障審議会の障害者部会、介護保険部会、そして、「在り方検討会」等で議論が進められていくことになる。
 他方、「三位一体改革」の中で障害者関連予算も、国庫補助金見直しの対象の一つに入っていると言われている。しかし、支援費制度になり多少広がってきたが、障害者の地域生活支援サービスは未実施の市町村が多い。例えば、知的障害者のヘルプサービスを実施している市町村の割合は、支援費制度導入に伴い30%から47%に増えたとは言え、まだ半数以上の市町村では実施されていない状態である。こうした実態を見るときに、国庫補助金見直し−一般財源化を今進めることは余りにも無展望なことであり、同意できない。この「三位一体改革」の方針が決定されるのが今年6月である。
 障害者支援サービスをさらに広げていく取り組みが求められているのであり、そのことをないがしろにするかのような一般財源化の動きを挫いていくために、障害者運動の力を結集していくことが当面必要である。それは、単に「一般財源化」を食い止めるということにとどまらず、拙速に「介護保険への組み込みを求める主張」の根拠を堀崩すことにもなろう。

障害者の地域での自立生活の推進を−障害別を超えた取り組みを
 一番懸念されるのは、「5年ごとの介護保険の見直し」という大きな改正作業の中で、障害者団体が懸念している具体的な問題点に対しては、「法律改正後、実施までの間に検討すればよい」という形になってしまうことである。昨年5月から始まった「在り方検討会」では、介護保険との統合賛成の立場に立つ委員からも、今後の議論の進め方として、「サービス論・システム論をしっかりやった上で財源の議論が必要」という提起があった。それを翻すような議論は乱暴すぎるであろう。
 同じ検討会で、当事者委員からは、障害者一人ひとりのニードにあった支援を実現していくために、パーソナル・アシスタント・サービスの必要性が提起されてきた。これは、さらに言えば、1970年代から生活保護の他人介護料や全身性障害者介護人派遣事業などの介護保障制度の確立を求めてきた歴史に、その源流が求められるものである。1989年のゴールドプラン以前は、ホームヘルプは家事援助が中心であり、移動介護はもちろん、身体介護等もなされなかった。そうした中でも、障害者は、地域での自立を実現するための介護保障制度実現に向けて取り組んできた。そうした歴史的な取り組みの上で、パーソナル・アシスタント・サービスの確立が提起されているのである。
 「介護保険への吸収合併でなく、対等統合である」というならば、そうした歴史と到達段階をふまえた検討がなされなければならない。支援費制度でかいま見えた「施設から地域の流れ」を、さらに強めていく取り組みと議論が求められている。
 また、この間、「介護保険見直し」の議論の中で、「介護保険に入ることで、身体・知的・精神という障害別を超えたサービス体系ができる」という議論がにわかにされるようになってきている。しかし、支援費制度導入以前に、「なぜ精神障害者だけが身体・知的と別のシステムになっているのか」と提起してきたのは障害当事者に他ならず、障害別に分立している障害者福祉法の問題を指摘してきた。しかし、そうした提起は、これまで真剣に受け止められてこなかったのである。
 そうした経過を無視して、介護保険が”打ち出の小槌”であるかのような主張は、障害別を超えた取り組みを進めてきた立場からすると、余りにもおためごかしの議論であると言わなければならない。私たちの側から、障害別を超えた運動の連携を強めていくことが重要である。
 

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最終更新日2004.7.7