| ■支援費制度 |
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概括でも述べたように2003年度は支援費制度が始まった年であり、支援費制度の動向が日本会議の活動に大きく影響を及ぼした年であった。2003年4月に支援費制度に移行し、さらに支援費制度の発足に伴って開始された「在り方検討会」も一定のペースで課題をこなしてきた。DPI日本会議からは中西正司常任委員が委員として出席し、当事者としての問題提起を積極的に行った。この在り方検討会は障害当事者をはじめとする関係者の大きな関心を呼び、毎回多数の傍聴者の注視のもとで会議が進められた。支援費に関する国庫補助金の不足が2003年10月から徐々に明らかになった。さらに、12月に入ると年度末に100億円を超える金額が不足するということがわかり、必要な財源の完全確保を図ることを求めて厚生労働省ならびに各政党等に対して要請行動を行った。しかし年度末の国庫補助金の決済時には全体として96%の補助にとどまるという事態となり、制度開始の初年度から財源不足を露呈する結果となった。この状況の中、年明け早々の1月に、支援費制度と介護保険の統合問題がにわかに現実的な課題として浮上してきた。厚生労働省に介護保険制度の見直しに備えて介護制度改革本部が設置されると同時に、障害保健福祉部長から支援費制度と介護保険の統合方針が打ち出されたのである。この動きに対し、障害者運動側としては2003年1月の上限撤廃運動をともに闘ったDPI日本会議、日本身体障害者団体連合会、日本障害者協議会、全日本手をつなぐ育成会の4団体に加えて、在り方検討会に委員を出している日本盲人会連合、全日本ろうあ連盟、全国脊髄損傷者連合会と、全国精神障害者家族会連合会の4団体の計8団体で統一して取り組んでいくことを申し合わせ、厚労省との話し合いに臨んできた。こうした重要な課題に国内の主要な障害者団体が協力して取り組むことができたのは、第6回世界会議開催以降、必要な場合にはそれぞれの団体の枠を超え、力をあわせることの必要性に対する認識を深めた結果である。
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| ■ 障害者基本法改正 |
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障害者関係法律の理念上の根拠になる障害者基本法(議員立法)が、2003年7月、十年ぶりに与党から改正案が提出され、民主党も対案を出した。しかし、国会の解散によって廃案となった。廃案となった与党案では、@障害を理由として、不当に差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない旨の規定や、A都道府県及び市町村に障害者計画策定の義務付などが改正のポイントとして挙げられている。しかし、同改正案がどのように障害者差別禁止法の制定に向けた確かな担保になり得るのかは明らかではなかった。
その後、2004年に入ってから与野党の修正協議がまとまり、第159回通常国会に改正案が提出された。修正の結果、附則の第三条(検討)に、「施行後五年を目途として」「障害者をとりまく社会経済情勢の変化等を勘案し、障害者の施策の在り方に検討を加え」「必要な措置を講じる」という文言が条文に盛り込まれた。付帯決議では、障害児教育に関して「意思及びニーズを尊重しつつ、共に育ち学ぶ教育を受ける環境整備」や、「国連における障害者権利条約の策定等の動向を踏まえ、制度整備の必要性について検討」などを含む7つの項目が盛り込まれ、改正案と付帯決議が採択された。
DPI日本会議では2003年10月、加盟団体他多くの障害当事者団体の賛同署名とともに意見提起を行い、今通常国会においては、JDF準備会として取り組んだ与野党の修正協議や付帯決議に関する申し入れに積極的に関わった。
今後も障害者権利条約の動向を踏まえ、附則の「必要な措置を講じる」との関係で、障害者基本法の改正が障害者差別禁止法制定の展望と道筋に大きな影響を与えるという考え方から積極的な取組みを進めていくことが重要である。
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| ■障害者差別禁止法 |
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現在、障害者差別禁止法の制定は、障害者団体の共通の目標となっている。2001年8月、障害者政策研究全国実行委員会に「障害者差別禁止法」作業チームが設置され、DPI日本会議として障害者差別禁止法の「要綱案」作成の作業に取り組んできた。
この要綱案を、第6回DPI世界会議に合わせて「当事者がつくる障害者差別禁止法―保護から権利へ」(現代書館)の出版という形で発表して反響を得たのち、2003年度においては、障害当事者団体や個人から「要綱案」への意見を集めて見直し作業を行ってきた。作業チームはこの見直しを第2次「要綱案」として第9回障害者政策研究全国集会(2003年12月)において発表した。
第2次「要綱案」では、差別や権利侵害を受けたときに、当事者が個人として訴えられない環境にあり、その事案が多くの障害者にとって共通の利害をもたらすと考えられるときには、DPI等の権利擁護団体が団体として訴えることのできる「団体訴権」の必要性を提起し、今後の検討課題としている。
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| ■雇用率未達成企業名等の開示請求から |
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かつて、2000年10月に、「新障害者基本計画」の策定に関する意見書を内閣府障害者施策担当室に提出した。その中で、雇用・就労問題について、働く意志のある障害者が、一般就労ができる施策を推進するよう次の点を提起した。
雇用率制度の見直しとして、法定雇用率未達成企業・地方公共団体に対する企業名公表等の指導強化、重度障害者のダブルカウント制度の見直し、精神障害者の雇用義務の検討、最低賃金法における適用除外の見直しと、賃金補填制度創設に向けた検討と推進等。その他欠格条項の撤廃、職場介助者配置制度やジョブコーチ制度の拡充などである。
こうしたDPI日本会議の意見提起を背景に、2001年10月、金政玉DPI障害者権利擁護センター所長が開示請求人となり、東京労働局長に対して情報公開法に基づいて法定雇用率未達成企業名等の開示請求を行った。その結果が、2003年9月にようやく、都内に本社を持つ法定雇用率(1.8%)未達成企業9040社の企業名とその実雇用率等の一覧が東京労働局より公表された。
この未達成企業名等の公表を契機にして、同年10月、東京では障害者雇用を進展させていくことを目的に障害当事者、地域就労支援センターの関係者、弁護士、市民が集まって「障害者雇用を実現する人権センター」が発足した。
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| ■DV防止法改正 |
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2001年に制定された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(以下、「DV防止法」)」だが、2004年の法改正に向けて、2003年を通して全国シェルターネットを中心に集会を重ねてきていたが、DPI日本会議も障害当事者団体として参加し、障害を持つ人の存在をアピールしてきた。また平野みどり副議長を中心に、参議院共生社会に関する調査会のプロジェクトメンバー議員や関係者にロビーイングし、その結果、改正案に「障害を持つ被害者への配慮」が盛り込まれることとなった(改正案は2004年3月25日に同調査会より提出され、第159回通常国会で可決された)。 |