| 2002年度活動経過報告
■ 総括
■ 事業の経過
1)障害者に関わる施策の調査研究事業
2)障害者に係わる施策の普及啓発事業
3)障害者の権利擁護に関する事業
−DPI障害者権利擁護センターの現状
4)障害者団体育成事業
5)海外の障害者に関する協力等の事業
−第6回DPI世界会議札幌大会経過報告
■ 組織運営に関する経過報告
■ 総括
2002年度は第6回DPI世界会議札幌大会の開催準備、開催、そして事後処理に活動の多くが費やされた。メキシコ大会以降進めてきた開催準備活動がいよいよ具体的な段階に入り、関係機関や関係業者をまきこんで10月15日の開催を迎えるまで密度の濃い作業がおこなわれた。参加者の登録、移動、宿泊や会場運営などの体制整備は日本会議事務局と札幌組織委員会事務局がそれぞれの役割分担のもとで連携をとりながら作業を進めてきた。世界会議は100以上の国と地域から3000人以上の参加者を集め、シンポジウム、分科会等で熱心な論議が交わされ、実り多い大会とすることができた。
国内の障害者を取りまく課題としては、2003年4月の支援費制度実施に向けた厚生労働省の準備作業に対応した取り組みが中心となった。2003年1月の支援費の上限設定に抗議する行動はDPI日本会議の枠の下にJIL(全国自立生活センター協議会)、全国障害者介護保障協議会、全国公的介護保障要求者組合という、この問題の直接的な当事者が結集し、抗議行動を行った。この抗議行動は、上記のDPI日本会議を核とした当事者の固まりと日本身体障害者団体連合会、全日本手をつなぐ育成会、日本障害者協議会という全国的な団体との共闘となった。世界会議を開催したことから、国際的な面でのDPI日本会議の重要性が増しただけではなく、国内的な運動においても日本会議の果たすべき役割は大きなものになっているといえよう。
DPI日本会議の呼びかけにより2001年9月に立ち上げたDPI世界会議・全国行動委員会の活動は予想以上に大きな展開を見せ、形式や規模は様々ではあるが全国68か所の都市で世界会議キャンペーンの集会がもたれた。その結果として全国46都道府県からDPI世界会議には多数の障害者が参加した。さらにDPI日本会議への新規加盟の働きかけに応じて大阪精神障害者連絡会(大阪府)、たけのこ会(神奈川県)、ふれあいの会(神奈川県)の3団体が新たに新会員となった。2003年5月1日現在で46団体となっている。
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■ それぞれの事業の経過
1)障害者に関わる施策の調査研究事業
制度・政策に関連する取り組みとしては、2001年度から引き続いて支援費制度関連の行動の比重が大きな1年であった。支援費制度の実施内容に関して再三厚生労働省の担当部局と話し合いを重ね、制度を利用する当事者の立場からの問題提起を繰り返し、居宅介護事業のサービスメニューの変更やヘルパー資格などについては、我々の声を一定程度取り入れた制度とすることができた。さらにこの制度を真に当事者主体とすることを求めて2002年5月には全国の障害当事者団体に共闘行動を呼びかけ、300人近くの障害者とともに、集会・デモ・企画課長との話し合いを行った。支援費制度の実施を3カ月後に控えた2003年1月になって厚生労働省がホームヘルパーの派遣時間に上限を設けようとしているという情報が流れ、この制度を利用している障害者に大混乱を引き起こした。厚生労働省は予算配分基準を示したものにすぎないという説明を繰り返したが、結果的に利用量の制限につながる数字の提示に抗議して白紙撤回を求める行動を起こした。1月14日以降連日厚生労働省前に100人を超える障害者が座り込むという状況の中で、厚生労働省の担当部局との話し合いを重ねるかたわら、政党要請、マスコミへの働きかけ等々多方面にわたる行動を展開した。今回の行動は、従来から共同でこの問題に当たってきたJIL、全国障害者介護保障協議会、全国公的介護保障要求者組合に加えて、DPI日本会議としては初めて日本身体障害者団体連合会、全日本手をつなぐ育成会、日本障害者協議会といった団体と共闘を組み、厚生労働省に圧力をかけ続けることができた。こうした枠組みで具体的な課題に立ち向かえたことは特筆に価する。
1993年に策定された新長期計画の最終年を2003年3月に控えて、2002年6月に「新しい障害者基本計画に関する懇談会」を内閣府が設置して、新たな基本計画を策定する動きが開始された。DPI日本会議では、障害者を「保護・更正」の対象と見なした上で施策を展開するという枠組みから「自立・権利」を基本的視点とした枠組み転換を図るべきであるという基本的な認識に基づく意見提起を2002年の3月と9月におこなった。
DPI日本会議としてもっとも主要な課題の一つとして掲げている障害者差別禁止法の制定に関する取り組みは、DPI日本会議も参画する障害者政策研究全国実行委員会プロジェクトで法案の要綱試案を策定し、世界会議に機を合わせて「当事者がつくる障害者差別禁止法」を現代書館から出版し、社会にその必要性をアピールした。
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2)障害者に係わる施策の普及啓発事業
DPI日本会議の広報・宣伝媒体としては、ホームページに機関紙、メールマガジンがある。ホームページについては、毎週水曜に更新をしているが、アクセス数が1月の支援費騒動を契機に飛躍的に伸び、5万を超えている。内容についても地方自治体からも参考にしているといわれた。機関紙は2002年度は4回、毎号約7000部を発行した。また、総会と支援費騒動の際に2度号外を出した。また、2002年度末から、新聞体からB5版の冊子体にリニューアルした。発行回数は年4回と変わらないが、題名を「DPI」に変え、特集を2つほど組むことができ、読みやすくなる。発行部数は1万部に増やし、48〜64ページほどを想定している。臨時号・号外は今までの新聞体の「われら自身の声」で出す予定である。また、メールマガジンは2週間に1度の割合で発行しており、現在は1500人程の読者がいる。
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3)障害者の権利擁護に関する事業
DPI日本会議では、DPI障害者権利擁護センターの運営支援を通じて、障害者の権利擁護に関する事業に取り組んでいる。同センターは、東京都内を中心に相談対応を行っている。また、国会で参考人として意見陳述を行ったり、講師として各団体の学習会に出席するなど、DPI日本会議が行っている各事業を協力にサポートしている。(DPI障害者権利擁護センターについては、別記した)
4)障害者団体育成事業
全国の障害者にDPI世界会議開催の周知徹底を図り、参加を呼びかけること、ならびに支援費制度に関する知識を深め、DPI日本会議の活動とそれぞれの地域の運動との接点を作っていくことを目的として、DPI日本会議の呼びかけにより2001年9月に「DPI世界会議・全国行動委員会」を結成した。全国行動委員会は大阪に事務局を置き活発に活動を展開してきた。熊本、鳥取等を皮切りに最終的には全国68ヵ所の地域で集会を開催し、延べ3000人以上が集まった。当初全ての都道府県で少なくとも1か所は集会を行っていくことを目標としたものであるが、68か所という数はその目標を大きく上回るものであり、支援費制度導入が間近に迫っていた時期もあってこの行動に対する関心の高さが伺われるものであった。
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5)海外の障害者に関する協力等の事業
2002年度は冒頭でも触れたように、第6回DPI世界会議札幌大会の開催が、この事業の中で最も比重を占めた。国内外で高く評価される大会となった背景には、議論された中身ももちろんのことだが、4年近くにわたる2002年第6回DPI世界会議札幌大会組織委員会による地元での入念な準備があったことを強調せねばならない。組織委員会の活動が実って、北海道内の行政・企業・労働組合・一般市民といった広範な層に積極的にDPI世界会議の開催を後押ししていただけたことも特記しておくべき事項である。数多くの人たちの努力の上に、この障害種別を超えた障害当事者による世界規模のイベントを成功させることができたと言えよう。
第6回DPI世界会議札幌大会終了後、大きく2つの事業に取り組んだ。ひとつは南部アフリカ地域の障害者リーダーへの研修事業である。JICA(国際協力事業団)からの委託を受け、2003年2月に実施したこの事業では、3週間近くにわたって日本とタイで9カ国10名の障害者リーダーへの研修が行われた。2006年に南アフリカ共和国でDPI世界会議が行われることもあり、この事業は今後重要度がさらに増すものと思われる。
2003年3月には、ブラジルのリオデジャネイロでインクルーシブ教育に関するセミナーを世界銀行からの委託を受け、共同で実施した。各州から行政やNGOの代表合計80名あまりが参加し、国内のネットワークづくりに寄与した。
障害者権利条約の策定を巡って8月にニューヨークで開かれた国連の「障害者の権利、及び尊厳の推進、保護に関する包括的かつ総合的な国際条約を検討する特別委員会」をはじめ、DPI世界会議直後の滋賀県大津市で開かれたESCAP「アジア太平洋障害者の十年」
最終年ハイレベル政府間会合など、障害者に関する政府間の会合にもNGOとして参加し、障害当事者からの意見提起を活発におこなった一年でもあった。大津市のESCAP会議では、今後10年の新しい「アジア太平洋障害者の十年」の目標について示した「ビワコミレニアムフレームワーク」が採択された。
その他にも2002年度はアフガニスタンから来ている障害者を1ヶ月事務局で研修生として受け入れるなど、海外の人材育成に寄与する活動も行った。
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■ 組織運営に関する経過報告
1)財政
DPI世界会議の開催に向けた資金づくりは精力的に行われたが、DPI日本会議の財政基盤の安定につなげるための取り組みは限られた範囲にとどまらざるを得なかった。加盟団体よりの会費は徴収率80%で2001年度とほとんどかわらず、賛助会員獲得も小幅な伸びにとどまった。財源の多くを労働組合よりのカンパに頼っている状況に変わりはなく、連合の「愛のカンパ」からの寄付は今年度も大きな比重を占めた。今後は労働組合からのカンパに頼るだけではなく、多方面に賛助会員を募り、会費収入の比重を大きくするとともに、障害者の権利擁護やエンパワメントを目的とする事業を精力的に展開し、収入を生むことに取り組んでいくことが必要である。
2)組織強化
上述したように「DPI世界会議・全国行動委員会」の活動が活発に展開された。全国の草の根組織の人々とのつながりがひろがり、DPI日本会議に対する認識も少しずつ深まりつつある。特にこれまでつながりを深くなかった中国地方、北関東地方、東北地方といった地域にパイプができたことは大きな成果である。こうした各地の組織の中からDPI日本会議へ新規加盟をした団体は大阪精神障害者連絡会(大阪府)、たけのこ会(神奈川県)、ふれあいの会(神奈川県)の3団体である。
◎会議・集会
常任委員会は2ヶ月おきに行った。その間の月には役員会を行い、世界会議準備に関することをはじめとする主要な案件に関して緊密な検討を行った。
・常任委員会(5月・大阪、7月・北海道、9月・東京、1月・東京、3月・名古屋)
・役員会 (6月・東京、8月・名古屋、12月・名古屋、3月・名古屋、5月・東京)
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