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第6回DPI世界会議


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第6回DPI世界会議札幌大会報告集 世界の障害者―われら自身の声

 

活動内容活動方針・前年度活動報告

2000年度活動経過報告

 

■  総括 

 DPI日本会議にとって2000年度は、DPI世界会議に向けた国レベルの動きや世界レベルの動きが具体的な形をとって現れ始めた年であり、それに関連した要請行動や非公式折衝が頻繁に行われた年であった。さらに社会福祉法の制定、交通バリアフリー法の制定というわれわれの生活に関連する法律が5月に制定されたことにより、その実施に向けた動きに対して当事者としての意見を積極的に提起した年でもあった。また、一昨年の5月から「障害者欠格条項をなくす会」を結成して取り組んできた欠格条項の見直しに関しても、具体的な法改正に向けて関係省庁との協議ならびに国会への働きかけなどを精力的に行った1年であった。
 一方で、「障害者政策研究全国集会」や「誰もが使える交通機関を求める全国行動」などDPI日本会議が呼びかけたり、多くの団体と協力して行っている行動やイベント等も回を重ねるごとに重要さを増し、DPI日本会議の果たすべき役割もますます重いものとなってきている。
 昨年10月にアメリカからマイケル・ウィンター氏を招いて行った航空問題をテーマとしたシンポジウムは、DPI日本会議として初めて航空問題をテーマとしたことや、シーテック・ジャパンというIT関連の展示会と共同で、IT関連機器の展示会会場を利用したシンポジウムということで初めてづくしの試みであった。今後ともこうした他分野との交流を積極的に行っていく必要があると考える。

社会福祉基礎構造改革
交通バリアフリー法の実施に向けて
欠格条項関連
DPI世界会議札幌大会準備
精神障害者関連
海外の当事者との連帯

 

■  社会福祉基礎構造改革

 社会福祉基礎構造改革の一環として昨年5月には、社会福祉事業法が社会福祉法として新たに制定された。この法律の実効部分の多くは、2003年の4月からの実施ということになっている。DPI日本会議としては、福祉サービスシステムが措置制度から利用契約方式に変わることに対して、支援費支給方式の実態を明らかにすることと、代理受領方式の原則の変更などを求めて厚生労働省との話し合いを繰り返し行ってきた。厚生労働省としては、今年7月中に支援費支給方式の大枠を決め、2002年の3月にはこの方式の詳細を決めるとしている。引き続きDPI日本会議としての意見提起を積極的に行っていく必要がある。
 社会福祉基礎構造改革の具体化として実施されている介護保険制度と障害者の介助保障のあり方に関しては、障害者政策研究全国集会の基礎構造改革プロジェクトでの検討を中心に、DPI日本会議としての意見をまとめる作業を進めている。現行の介護保険制度に若年障害者を組み入れることには反対する、という基本姿勢を確認し、障害者の社会的な活動に対する支援を含んだ介助制度のあり方を追求してきた。厚生労働省との意見交換を始め、シンポジウム、講演会などの機会をとらえてDPI日本会議としての考え方を社会的に明らかにしてきた。

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■  交通バリアフリー法の実施に向けて

 交通バリアフリー法の実施部分を定めるバリアフリー基準の策定委員会(移動円滑化基準策定委員会)が、6月に立ち上げられた。この委員会には、関係する事業者ならびに学識経験者とならんで障害当事者も名を連ねてはいたが、交通アクセスの改善に熱心に取り組んできたDPI日本会議からは委員を出すことはできなかった。日本会議としては、この委員会の事務局である消費者行政課に対して強固に抗議するとともに、基準に入れるべき事項を提起した。また、委員会の中間答申をもとに出されたパブリックコメントに対しては、DPI日本会議としてエレベーター整備による垂直移動の困難の解消や当事者参画の原則等の5点の基本事項を提示し、全国の障害当事者にむけて積極的に意見を出していくよう呼びかけを行った。今回のパブリック・コメントはDPI関係者を含む全国の人々から157通が寄せられたということであり、最終的な円滑化基準の策定に大きな影響を与えた。
 移動円滑化基準は一定の強制力を持った基準であるところから、ミニマムな基準となったことに対して、運輸省(現・国土交通省)としてもより充実した整備基準の必要性が認識され、その検討を行うことを目的としたガイドライン委員会が昨年の12月に立ち上げられた。この委員会にはDPI日本会議から尾上事務局次長が参加し、当事者としての意見提起を行った。

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■  欠格条項関連 障害者に係る欠格条項の撤廃に向けて障害者欠格条項をなくす会・全国自立生活センター協議会・DPI日本会議の3団体連名で以下の取り組みを行った。


2000年7月、旧建設省に対して「重度障害者の公営住宅単身入居に関する除外規定の撤廃を求める要望書」(旧建設省宛)を提出し、公営住宅法施行令6条「身体又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とする者で、その公営住宅への入居がその者の実情に照らして適当でないと認められる者は、単身で公営住宅に入居することができない」の規定の撤廃を求める交渉を行った。

 9月、東京都・神奈川県・埼玉県の市町村の図書館、公民館等の公共施設の利用制限、教育委員会・議会等の傍聴制限の実態を調査し、精神障害者等を差別、偏見によって利用または傍聴制限をしている自治体が明らかになった(東京都:63の内21区市町村、神奈川県:37の内12市町村、埼玉県:91の内61市町村、3都県191の内94区市町村−49.2%)。差別的制限規定を設けている各自治体に対して、「障害者に対する公的施設の利用制限規定の撤廃を求める要望書」を送付し、当該規定の削除を求めた(72の自治体から回答があり、削除を決定)。

 12月、各政党に「障害者欠格条項の包括的見直しに関する要望書」を提出し、次期通常国会に向けて見直しが進んでいる医療職関連、運転免許等の資格取得については、「どうすればできるか」への考え方の転換が必要であるという観点から、教育課程や、手話通訳、要約筆記、視覚障害者向けの機材などの確保、点字試験を含む環境条件整備など、教育の機会均等化に係る課題がこれからは一層重要となると主張し、障害者欠格条項の撤廃につながる方向性を明示する包括的見直し法案を策定することを申し入れた。道路交通法と医師法等の一部を改正する試案に対しては、DPI日本会議として意見書を提出し、医師法等の一部を改正する法律案についての参議院厚生労働委員会における参考人質疑(本年3月)には、参考人として出席した。

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■  DPI世界会議札幌大会準備

 2002年10月に予定しているDPI世界会議札幌大会の開催に関しては、受け入れ準備の多くを世界会議組織委員会事務局であるDPI札幌事務局において行っている。開催日程ならびに会議開催場所の決定など、具体的なイメージが固まりつつあるが、資金獲得活動等はまだまだ本格的なものとならず、今後よりいっそうの努力が必要とされている。
 2002年に国内の障害者や関係者が力を合わせてDPI世界会議とアジア・太平洋障害者の十年最終年事業等の国際会議を開催するという趣旨で準備を進めてきた、「アジア・太平洋障害者の十年最終年記念フォーラム」の組織委員会が、昨年の12月6日に正式に結成された。またこれを支援する「アジア・太平洋障害者の十年最終年フォーム支援議員連盟」も同じく10月17日に作られており、2002年に向けての体制づくりは一応整えられた。
 DPI世界会議札幌大会の内容等に関して、DPI世界役員との調整については、電話による役員会議に日本会議事務局も参加し、意見交換をしてきた。その結果、世界会議の詳細については、世界会議の中に国際組織委員会を設けて内容を固めていくこととなった。国際組織委員会は、議長のジョシュア・マリンガ、前議長のカッレ・キョンキョラ、アジアブロック議長のビーナス・イラガン、事務局長のルーシー・ヘルナンデスと日本会議事務局長の三澤了によって構成されている。

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■  精神障害者関連 

精神障害者に関する制度的不備ならびに施策の遅れはかねてから指摘されているところであるが、精神保健福祉法の部分改正においても改善の方向がなかなか見えてこないのが現状である。この改正に基づく具体的施策として取り入れられた「患者の移送サービス」制度に対しても、障害当事者からは多くの問題提起がされている。また、医療施設の設置基準における「精神科特例」は、精神障害者に対する医療を劣悪な状況のままに放置しておくことに他ならない。 これらの問題に関して、DPI日本会議は加盟組織である全国精神障害者団体連合会(全精連)からの問題提起に基づき、全精連ならびに東京と大阪の精神医療人権センターと共同で「医療法における精神科特例の廃止を求める要望書」を厚生省や日本医師会等に提出し、精神科特例廃止に向けた活動を行った。

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■  海外の当事者との連帯 99年度からフィリピンで展開しているルソン島北部の車いす製作所支援は、昨年度、2度の専門家派遣を実施することによって品質の向上や地域社会の理解向上などの成果を生みだした。既に現地で働いている障害労働者だけではなく、その他の地方に住む技能の高い障害者リーダーにも研修の機会が提供できたことは、今後、フィリピン農村部において地域密着型の補装具給付拠点を生み出していくきっかけとなるだろうと期待される。
 2年に1度のアジア太平洋ブロック総会が11月、ラオスで開催され、DPI日本会議の中西正司が会計担当役員および世界評議員を引き続き務めることとなった。この会議には、札幌組織委員会から宮下事務局次長も参加し、DPI世界会議札幌大会へ参加するようアピールを行った。
 海外から毎年多くの障害当事者が研修のために来日しているが、DPI日本会議としても各種のプログラムに協力し、当事者運動の視点をインプットしてきた。昨年度は中国・韓国・フィリピンなどの研修生を受け入れた。
 その他の海外関連の動きとして、12月にはアジア太平洋障害者の十年推進キャンペーン会議がタイ・バンコクで開かれ、事務局長が参加した。

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